山形大学の櫻井敬久名誉教授、名古屋大学宇宙地球環境研究所の三宅芙沙准教授、弘前大学大学院理工学研究科の堀内一穂 助教らの研究グループは、紀元前660年頃の鳥海神代杉年輪の炭素14を山形大学高感度加速器質量分析センターと共同で超高精度な測定を行い、解析することにより、紀元前660年頃の宇宙線増加イベントの詳細を明らかにした。このイベントは複数の超巨大太陽面爆発によって引き起こされた可能性を示した。この研究成果は、令和2年1月20日(日本時間19時)に、Nature Publishing Groupが出版する国際学術誌「Scientific Reports」に掲載。
ポイント
〇鳥海神代杉年輪の炭素14を超高精度分析することにより、紀元前660年頃の宇宙線増加イベントの詳細を解明した。
〇得られた炭素14データの炭素循環モデリングから、数年にわたり複数の超巨大太陽面爆が発生していた可能性を示した。
〇現代社会の大きな脅威となり得る超巨大太陽面爆発が、立て続けに起き得ることを世界で初めて示した。
背景
炭素14やベリリウム10などの宇宙線生成核種は、宇宙から降り注ぐ宇宙線が大気元素の窒素や酸素などと衝突することで作られる。これらの宇宙線生成核種は、樹木の年輪(炭素14)や極域の氷床コア(ベリリウム10)に取り込まれて蓄積するため、古木年輪や氷床コアサンプル中の宇宙線生成核種を測定することで過去の到来宇宙線量を推定できる。一般的に、宇宙線は太陽系の外に起源を持つ「銀河宇宙線」のことを指すが、巨大な太陽面爆発に起源を持つ高エネルギー粒子(Solar Energetic Particle)も含まれるため、年輪などに蓄積された宇宙線生成核種には過去の巨大な太陽面爆発の痕跡が残されていると考えられている。これまでに、宇宙線生成核種の分析から、西暦774/775年、西暦993/994年(992/993年)に地球へ降り注ぐ宇宙線量の急増(宇宙線増加イベント)があったことが示されており、その原因は、現代の観測史上最大級の太陽面爆発イベントの数十倍という超巨大規模の太陽面爆発イベントによるとされている。西暦775年と西暦994年のイベントは複数の樹木年輪サンプルや氷床コアの分析からその詳細が調査され、単一(1年以下の)の超巨大太陽面爆発によって引き起こされたと考えられている。最近、ドイツ産の樹木(オーク)サンプルに、これまでの2つのイベントと同様に超巨大規模であるが挙動が異なる炭素14増加イベントが紀元前660年頃にあることが報告された。しかし、このイベントの宇宙線増加についての詳細は示されていない。
研究手法・研究成果
紀元前660年頃のイベントについて、炭素14増加の詳細な時間変化の様子を調べるために、山形県と秋田県の県境にある鳥海山から出土した鳥海神代杉年輪を1年輪毎に更に細かく早材・晩材に剥離して炭素14濃度を測定分析した(紀元前669年から633年の期間)。炭素14の超高精度分析は、山形大学高感度加速器質量分析センターの加速器質量分析計を用いて行った。その結果、先行研究のドイツ産樹木(1年輪毎の剥離)にみられた炭素14濃度増加よりも短い期間で増加していた。鳥海神代杉の増加時間は、3年かかっており西暦775年イベントの炭素14濃度増加に比べて長く、段階的増加を示していることが分かった。炭素循環ボックスモデルを用いた解析・評価から、紀元前660年頃に発生したイベントは、最長で41ヵ月間まで継続した可能性が示唆された。このような、長期間の継続期間を説明するためには、巨大な太陽面爆発が複数回発生する必要がある。また、太陽面爆発による地球への宇宙線の降り注ぎが一定で連続したものより2回に分けた方が、得られた炭素14データの段階的な増加をよく説明できる。したがって、紀元前660年頃のイベントは、上述した西暦775年と西暦994年のイベントよりも継続期間が長く、複数回の超巨大太陽面爆発が原因である可能性が判明した。
今後の展望
宇宙線生成核種の測定分析から見つかっている西暦775年、西暦994年、紀元前660年頃の3つの太陽面爆発が仮に現在発生すると、人工衛星の故障や通信障害など、現代社会へ甚大な被害が及ぶと考えられている。今回の研究は、そのような太陽面爆発が数年にわたって立て続けに発生した可能性を示すものである。今後、南極氷床コアのベリリウム10分析などから、紀元前660年頃のイベントについて、さらに詳しい情報がもたらされることが期待される。
◆用語解説・注記
〇宇宙線
宇宙からの高エネルギー粒子(放射線)
〇太陽面爆発
太陽フレアやコロナ質量放出といった太陽面で生じる爆発現象。この現象により、高いエネルギーに加速された陽子が大量に地球に降り注ぐこと(Solar Proton Event: SPE)で、宇宙線生成核種が生成される。
太陽面爆発に伴って、地球に多くの高エネルギー粒子が降り注いだ大規模なイベントは1956年、1972年、1989年、2005年などに生じた。これらのイベントに関連して電力障害や人工衛星のトラブル等が引き起こされた。
〇早材・晩材
1年輪のうち、明るい色の材は春~夏に形成され(早材)、暗い色の材は夏~秋に形成される(晩材)。
〇炭素循環ボックスモデル
地球を大気圏、海洋圏、生物圏などの複数のボックスに分け、それぞれのボックス間の炭素の移動を記述したモデル。
天気は晴れ。良く晴れ上がった。気温は、昨日より少し暖かく?最高気温6℃・最低気温-5℃。畑の水が氷となっている。
お隣の畑で、”ブロッコリー”に花が咲き出している。私の畑では、まだ花芽が付いていない・・。
ウィキペディアの”ブロッコリー”を見ると、”ブロッコリー”はアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜。花を食用とするキャベツの一種がイタリアで品種改良され現在の姿になったとされる。和名はメハナヤサイ、ミドリハナヤサイ。カリフラワーとブロッコリーはキャベツ変種で生育初期の見分けは難しい。単位は「株」である。・・との説明。
ブロッコリー(英語:Broccoli)
別名:メハナヤサイ(芽花野菜、芽花椰菜)、ミドリハナヤサイ(緑花野菜、緑花椰菜)
アブラナ科アブラナ属
原産地は地中海沿岸
日本に渡来したのは明治時代、急速に普及したのは1980年代から
旬の季節は10月~3月頃
ポイント
〇鳥海神代杉年輪の炭素14を超高精度分析することにより、紀元前660年頃の宇宙線増加イベントの詳細を解明した。
〇得られた炭素14データの炭素循環モデリングから、数年にわたり複数の超巨大太陽面爆が発生していた可能性を示した。
〇現代社会の大きな脅威となり得る超巨大太陽面爆発が、立て続けに起き得ることを世界で初めて示した。
背景
炭素14やベリリウム10などの宇宙線生成核種は、宇宙から降り注ぐ宇宙線が大気元素の窒素や酸素などと衝突することで作られる。これらの宇宙線生成核種は、樹木の年輪(炭素14)や極域の氷床コア(ベリリウム10)に取り込まれて蓄積するため、古木年輪や氷床コアサンプル中の宇宙線生成核種を測定することで過去の到来宇宙線量を推定できる。一般的に、宇宙線は太陽系の外に起源を持つ「銀河宇宙線」のことを指すが、巨大な太陽面爆発に起源を持つ高エネルギー粒子(Solar Energetic Particle)も含まれるため、年輪などに蓄積された宇宙線生成核種には過去の巨大な太陽面爆発の痕跡が残されていると考えられている。これまでに、宇宙線生成核種の分析から、西暦774/775年、西暦993/994年(992/993年)に地球へ降り注ぐ宇宙線量の急増(宇宙線増加イベント)があったことが示されており、その原因は、現代の観測史上最大級の太陽面爆発イベントの数十倍という超巨大規模の太陽面爆発イベントによるとされている。西暦775年と西暦994年のイベントは複数の樹木年輪サンプルや氷床コアの分析からその詳細が調査され、単一(1年以下の)の超巨大太陽面爆発によって引き起こされたと考えられている。最近、ドイツ産の樹木(オーク)サンプルに、これまでの2つのイベントと同様に超巨大規模であるが挙動が異なる炭素14増加イベントが紀元前660年頃にあることが報告された。しかし、このイベントの宇宙線増加についての詳細は示されていない。
研究手法・研究成果
紀元前660年頃のイベントについて、炭素14増加の詳細な時間変化の様子を調べるために、山形県と秋田県の県境にある鳥海山から出土した鳥海神代杉年輪を1年輪毎に更に細かく早材・晩材に剥離して炭素14濃度を測定分析した(紀元前669年から633年の期間)。炭素14の超高精度分析は、山形大学高感度加速器質量分析センターの加速器質量分析計を用いて行った。その結果、先行研究のドイツ産樹木(1年輪毎の剥離)にみられた炭素14濃度増加よりも短い期間で増加していた。鳥海神代杉の増加時間は、3年かかっており西暦775年イベントの炭素14濃度増加に比べて長く、段階的増加を示していることが分かった。炭素循環ボックスモデルを用いた解析・評価から、紀元前660年頃に発生したイベントは、最長で41ヵ月間まで継続した可能性が示唆された。このような、長期間の継続期間を説明するためには、巨大な太陽面爆発が複数回発生する必要がある。また、太陽面爆発による地球への宇宙線の降り注ぎが一定で連続したものより2回に分けた方が、得られた炭素14データの段階的な増加をよく説明できる。したがって、紀元前660年頃のイベントは、上述した西暦775年と西暦994年のイベントよりも継続期間が長く、複数回の超巨大太陽面爆発が原因である可能性が判明した。
今後の展望
宇宙線生成核種の測定分析から見つかっている西暦775年、西暦994年、紀元前660年頃の3つの太陽面爆発が仮に現在発生すると、人工衛星の故障や通信障害など、現代社会へ甚大な被害が及ぶと考えられている。今回の研究は、そのような太陽面爆発が数年にわたって立て続けに発生した可能性を示すものである。今後、南極氷床コアのベリリウム10分析などから、紀元前660年頃のイベントについて、さらに詳しい情報がもたらされることが期待される。
◆用語解説・注記
〇宇宙線
宇宙からの高エネルギー粒子(放射線)
〇太陽面爆発
太陽フレアやコロナ質量放出といった太陽面で生じる爆発現象。この現象により、高いエネルギーに加速された陽子が大量に地球に降り注ぐこと(Solar Proton Event: SPE)で、宇宙線生成核種が生成される。
太陽面爆発に伴って、地球に多くの高エネルギー粒子が降り注いだ大規模なイベントは1956年、1972年、1989年、2005年などに生じた。これらのイベントに関連して電力障害や人工衛星のトラブル等が引き起こされた。
〇早材・晩材
1年輪のうち、明るい色の材は春~夏に形成され(早材)、暗い色の材は夏~秋に形成される(晩材)。
〇炭素循環ボックスモデル
地球を大気圏、海洋圏、生物圏などの複数のボックスに分け、それぞれのボックス間の炭素の移動を記述したモデル。
天気は晴れ。良く晴れ上がった。気温は、昨日より少し暖かく?最高気温6℃・最低気温-5℃。畑の水が氷となっている。
お隣の畑で、”ブロッコリー”に花が咲き出している。私の畑では、まだ花芽が付いていない・・。
ウィキペディアの”ブロッコリー”を見ると、”ブロッコリー”はアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜。花を食用とするキャベツの一種がイタリアで品種改良され現在の姿になったとされる。和名はメハナヤサイ、ミドリハナヤサイ。カリフラワーとブロッコリーはキャベツ変種で生育初期の見分けは難しい。単位は「株」である。・・との説明。
ブロッコリー(英語:Broccoli)
別名:メハナヤサイ(芽花野菜、芽花椰菜)、ミドリハナヤサイ(緑花野菜、緑花椰菜)
アブラナ科アブラナ属
原産地は地中海沿岸
日本に渡来したのは明治時代、急速に普及したのは1980年代から
旬の季節は10月~3月頃
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