静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

乗船実習エピソード4

2017年01月04日 13時10分58秒 | 28乗船実習

ブログをご覧の皆さん、あけましておめでとうございます。
そして、一週間のご無沙汰でしたが、本日からブログの再開します。
今年もよろしくお願いします。

さて、引き続き乗船実習の様子をご紹介します。
学園の2学期は来週スタートです。

12月1日。漁場に向けて南下中です。

餌イワシの管理や、当直業務をこなします。

12月2日。漁場海域に到着。
船上で最後のカツオ釣り練習です。

 

そして目視でカツオの群れを探します。

張り切って始めましたが、これはこれで船酔いを誘発。

しかし、大型カツオを発見し、二挺釣りで釣り上げます。

操業の後は、点呼。

海水の風呂で疲れを癒やします。

12月3日。
この日も群れを見つけて、一本釣りを行いました。

 

【漁師のおかず分け】
ほとんどの漁業では、獲った魚の一部を乗組員に現物支給します。
特に定置網漁業では200種類以上の魚が入網するので、おかず分けも魚も日によって様々。
たくさん獲れた魚は価格も下がるので、それを乗組員に分けるのは理にかなった習慣かも。
遠洋カツオ漁船では、獲ったカツオが船内食に使われます。
漁師は魚が好きなので、毎日食べます。
ところが、マグロ漁船では獲ったマグロを食べません。
一匹が大きいし、値段も高いからだと思います。
その代わり、と言って良いか分かりませんが、
混じって釣られるサメはまるまる乗組員の収入になるそうです。
マグロの水揚げは船主と、船員で分けるのですが、サメは全部が船員の収入。
マグロとサメでは値段が全然違いますが、それでもちょっとした小遣いになるようです。
そうは言っても、サメよりもマグロが針に掛かって欲しいのが漁師の気持ちです。
  
 園長のつぶやき
みなさん、おせち料理を楽しみましたか?
私の生まれた漁村には大型定置網があり、冬の主役はブリ。
かつてはブリ養殖も盛んだったので、正月のごちそうはブリの刺身でした。
また、カツオの水揚げ基地であった西伊豆では、今でも潮カツオと言う
荒巻ジャケのカツオ版みたいなものを今でも作っています。

しかし、多くの方は正月にマグロの刺身を食べるのではないでしょうか?
初セリですごい値段がついて有名になった大間のマグロ。脚光を浴びたので、マグロ漁は大間のように小さい船で一本釣りを行うものと思っている方が少なからずいます。
常識外れの高値はつかなくなりましたが、それでも大型の本マグロを獲れば、1尾で大きな収入です。
テレビの影響はすさまじく、マグロはすべて大間のように沿岸漁業で獲っていると思う人が少なからずいます。
あれを見ると、簡単に大金が稼げると思いますよね。
もちろん、そんな甘い話はありません。

このブログをご覧の方は、もうご存じですね。
マグロの多くは遠洋はえ縄で獲ったものです。
遠洋漁業でも、もっとも航海が長いし、10m以上の波がある海でも操業する過酷な漁業です。
大間から学園に来て、遠洋漁船に就職した卒業生もいます。

みなさんが食べるマグロのほとんどは、遠洋マグロはえ縄で漁獲したものです。
マグロを食べながら、遠い海でのマグロ漁を想像するのも良いかも。

1月5日 訂正!
昼のニュースで、築地市場での初セリの結果が報道されていました。
大間のマグロ、212キロで7400万円以上でした!
すごい。
ただ、大間のマグロがすべて、こんなに高値で売れるわけではないので誤解しないでください。

 

コメント
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