さて、引き続き乗船実習の様子をご紹介します。
12月4日。
波が高く、午前中は操業が休み。
生徒は自習です。
夕方に操業をしましたが、小さいカツオでまもなく中止です。
もちろん、当直当番は回ってきます。
こんなきれいな夕日は、普通の生活では、なかなか見ることが出来ません。
12月5日。
朝から双眼鏡で見張りを行い、午後に群れを発見。
餌食いが悪くて、中カツオを少しだけの漁獲です。
一方で、海洋観測も実施。貴重なデータになります。
12月6日。
天候が良く、船酔いがゼロに。
夕方、ようやく群れを見つけ、体力の限界まで漁獲。
カツオ566尾、平均体重も9キロ。
生徒も興奮です。
【遠洋域での海洋観測】
遠洋域の海の状況は、沿岸域にも影響を与えます。
気象ではエルニーニョの話が、テレビの天気予報でも扱われるようになりました。
海洋研究の分野もハイテク化がすすみ、県の研究所でも人工衛星情報を積極的に活用しています。
http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/01ocean/
人工衛星のデータで水温や、クロロフィル(葉緑素で植物プランクトンの量がわかる)などのデータが入手できます。
しかし、どれも海面のデータ。
海の中の状況は分かりません。
このため、実際に船で海洋観測を行いデータを取得するのは重要です。
人工衛星と違い、測定できるのは広い海の1点ですが、それでも貴重なデータになります。
園長のつぶやき
12月6日は大型のカツオをたくさん釣って、魚を獲る喜びを味わうことが出来ました。
戦後の魚が海にあふれて、魚の値段も高かった時代と違い、今の漁師は特別に高収入とは言えません。
稼げる漁業もありますが、かと言ってお金目当てで漁師になっても、仕事は楽しくありません。
やはり、好きでなければ出来ない仕事です。
そして、漁師の魅力の本質は魚を獲ることです。
写真の生徒たちの表情が、それを表しています。
この感動は、漁師だけの特権です。