静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

深層水施設の見学1

2017年01月19日 13時53分25秒 | 研修・見学

この数年で、大人気になった魚の筆頭がキンメダイです。
同じ大きさのマダイに対して、3倍くらいの値段がついていることも珍しくありません。
逆に、マダイは人工種苗の放流や、養殖によって価格が安定した魚の筆頭です。
資源が心配されるキンメダイ。静岡県では種苗生産研究に取り組んでいます。

キンメダイと言えば、深海魚。
水産技術研究所の深層水施設では水深約400mと言う、キンメダイの生息水深とほぼ同じ海底から取水を行っています。
キンメダイを飼うのに最適な水です。

今年の生徒で、キンメダイ漁船に就職予定の生徒がいます。
その生徒の希望もあって、深層水施設で飼われているキンメダイを見学させてもらうことにしました。

深層水科の後藤科長が説明してくれました。

最初は「深層水とは、どういうものか?」との説明です。

その後、深層水を使う飼育棟に移動し、実際に冷たい深層水に触ります。
「きれいだから、手がべとつかない」
そうです。

入り口近くに飼われていたのは、大きなマダイ。研究用です。

その奥に、遮光カーテンで囲まれた一角があり、キンメダイを飼育しています。
暗い場所で飼われているため、目で見るのもやっとです。
わずかな光の赤いLED照明で飼育しています。

特別に高感度カメラで写真を撮ってももらいました。
餌のイカとサンマの切り身をしっかり食べていました。

【キンメダイの漁法】
キンメダイの漁法は主に2種類です。
沿岸のキンメダイは、普通に釣り糸をおろして釣りあげます。ただし、釣り糸には複数の針がついています。5~10トンの漁船で日帰り操業で、地キンメ漁とも呼ばれます。
伊豆諸島海域などでは、もっと大きな船で7~10日の操業を行います。地キンメに対して、こちらは沖キンメと呼びます。底建てはえ縄と言って、はえ縄を海底から数m浮かすやり方です。
地キンメは伊東、稲取、下田、南伊豆など伊豆の各地で水揚げされます。
沖キンメは下田港に水揚げされます。
生徒の就職先は、沖キンメを獲る底建てはえ縄漁船になります。

 園長のつぶやき
生徒の就職先との面接で
「乗船履歴を満たしたら海技士資格を取るように」
と言われることがあります。
それだけ、資格を持つ人が少ない現状があるのですが、
もう一方で、
「資格を取って、船長などの役職を担えるようになって欲しい」
と言う期待の表れでもあります。
学園の生徒も、勉強が苦手の人が少なくありません。
しかし、このような期待をされて会社に就職することを理解して欲しいと思います。

コメント
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