深層水の施設では、キンメダイ以外も見学させてもらいました。
キンメダイと並んで、研究の柱になっているが海藻です。
深層水は海藻が利用する栄養分が豊富なため、表層海水の2倍スピードで生長します。
培養中のサガラメ、ヒジキなどを見せてもらいました。
そして、地下10mにある取水ポンプです。
海面下にポンプを置くことによって、同じ太さの取水管でも多くの取水が可能になります。
地下10mのポンプ室を作るのは大変な工事ですが、この場所は埋め立て地。
まだ海だった場所にコンクリートの箱を運んできて、設置することで地面を掘ることもなく作ることができんたんですよ。
【深層水と生物飼育】
水中では、水深が10m増えると水圧が1気圧増えます。
ですから、深海は数十気圧の環境です。
キンメダイを深層水で飼うと言っても、本来の気圧はありません。
生徒からも「それで大丈夫ですか?」と質問がありました。
大丈夫です。
低い圧力に慣らす必要がありますが、ほとんどの生物がOKです。
しかし、高い水温には適応できません。
ですから、キンメダイも深層水がないと飼うのは大変です。
園長のつぶやき
やはり、就職先との面接で伺ったお話です。
「海技士の免許持ちは欲しいが、それも良し悪しがある」
と言うこと。
学園生の場合、在学中に海技士の筆記試験しか受けられません。
就職してから3年後に乗船履歴を得て、四級、三級の口述試験を受ける必要があります。
つまり、3年間は免許なしです。
一方、海事教育機関を出てくると、卒業時に海技士免許が取得可能です。
すると「がんばって免許を取ろう」と言った意欲がなく、そのうち辞める人が多いということです。
学園で頑張っても、筆記試験しか受けられないのは残念に思っていましたが、悪い面ばかりではないですね。