静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

漁師と船酔い

2019年08月16日 09時00分00秒 | 学園紹介

「船酔いしても、漁師になれますか?」
と質問を受けます。
大丈夫です。
学園生も、ほとんどの生徒が船酔いします。
しかし、今までの卒業生で、船酔いのために漁師になれなかった人はゼロです。
それは、船酔いは必ず克服できるからです。
問題は、克服するまでの間です。


漁師に成りたての時は、船酔いして当たり前。
でも、そこで何もせずに寝ているのなら「やる気のないやつ」と思われます。
逆に、がんばって動けば「がんばるやつ」と思われます。
最初が肝心(かんじん)です。


だから学園の実習では船酔いしても
「苦しくても動くこと」
を求めます。
船酔いは辛(つら)いです。
私も多く経験しています。
職員も、その辛さを知っていますが、漁師になったときのことを考えて、厳(きび)しくなるんですね。

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
8/17、18はオープンキャンパスもありますよ!
ギリギリまで受け付けます。18日の方が空いていますよ!
そして、8月の見学会に24,25日を追加しました。
ご希望の方は、忘れずに申し込みをお願いします。
焼津駅からの送迎バスもありますよ!
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
どんな商売でも、一番難しいのは「売ること」です。
これは漁師の世界も同じです。
・・・なんですが、遠洋、沖合の大型漁船となると話が違ってきます。
それは分業化しているからです。

沿岸で1人でやっている漁師なら、すべてを自分がやります。
漁以外に、売る工夫や、漁協の会合、会計処理等々。
個人経営主なので、やることはたくさんあります。

大型漁船では、魚を捕ること以外は会社がやってくれます。
そして漁船内でも甲板員、機関員など仕事が違ってきます。
高度な内容になりますが、やる分野は限定されます。
特に最近では「海技士免許」を取ることが求められます。

どんな漁師でも、昔より多くのことを求められるようになりました。
そうは言っても、仕事の中心は魚を捕ること。
これが高度にできなければ一人前になれません。

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学園で漁師の仕事を考える

2019年08月15日 09時00分00秒 | 学園紹介

魚にたくさんの種類があるように、魚を捕る漁師にも多くの種類があります。
漁師によっては、シラスとマグロぐらいの違いがあります。
そうは言っても、学園に来る生徒のほとんどは漁師の仕事を知りません。
ですから、学園では多くの機会を通じで実際の漁師について学びます。

沿岸漁業では、漁業体験。
シラス船曳や定置網の操業に同行します。


つぎに漁船の見学。
停泊中のカツオ一本釣り漁船、海まき漁船、マグロはえ縄漁船などを訪問。
船内では仕事や漁船生活の話しを聞きます。


実際の漁師経験者の話も聞きます。
ベテラン漁師もいれば、新米漁師の卒業生の時もあります。


そして就職懇談会。
沿岸から遠洋まで様々な漁業会社の人に来てもらい話しを聞きます。


もちろん、学園職員にも漁業経験者がいます。
日々の授業や実習の中で、漁業の話しをしていきます。
こうした中で、たくさんの漁業から自分に合うものを決めていきます。

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8/17、18はオープンキャンパスもありますよ!
ギリギリまで受け付けます。18日の方が空いていますよ!
そして、8月の見学会に24,25日を追加しました。
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 園長のつぶやき
どんな商売でも、一番難しいのは「売ること」です。
これは漁師の世界も同じです。

私の子供の頃は、魚を売ることを漁師は考える必要がありませんでした。
捕った魚を地元の市場に出荷すれば、高く売れました。
しかし、輸入の拡大もあって魚の値段は横ばい。
魚も減っています。それを高性能な漁船や機械で補っている状況です。

だから稼ぎを多くするには、捕った魚をなるべく高く売ることが大事です。
漁師はいろいろな取り組みをしています。
活魚で出荷したり、鮮度を上げる絞め方をしたり、直売をしたり・・・
工夫ができない漁師はじり貧です。

誤解を招くのは、すごく高く売れる魚があることです。
大間のマグロがすっかり有名になりました。
静岡県でも、近海のキンメダイは高い値段がつきます。
これは事実ですが、こうなるのはたくさん捕れないからです。
大間でも数千万円の値がつくのは、ただ一匹。
ぜんぜん捕れない漁師もいるのです。
キンメダイも人気があるのに捕れないから高値です。
だから、まったく捕れなくなってしまう危険と隣り合わせです。

安い魚の代表がサバ。
すごくおいしいのに、たくさん捕れるから安くなります。
サバにはアニサキスと言う寄生虫がいて、天然のサバは生食できません。
でも、ちょっとした工夫で刺身で食べることが出来ます。
ただし、手間がかかります。
だから、多くの漁師はやらずに、高く売ることができません。
これからの漁師は「捕る以上」のことが必要になります。
・・・これは沿岸漁業の世界です。
沖合、遠洋については、また明日。

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学園で資格をとる

2019年08月14日 09時00分00秒 | 学園紹介

漁師には誰でもなれます!
とは言っても、資格の有る無しで、できる仕事は違ってきます。
学園で取得可能な資格は
 溶接
 海上特殊無線一級
 小型船舶操縦士
 ダイビングCライセンス
などです。


沿岸漁業の場合、必要になるのは無線と小型船舶操縦士の資格です。
これは船を操縦する人には必須(ひっす)です。
逆に言えば、これだけあればほとんど大丈夫。
・・・なんですが、もし、あなたが自分の船を持ち、魚を捕ろうと思ったら違ってきます。
免許ではありませんが、漁協の組合員資格が必要になります。
従業員からスタートし、準組合員、正組合員の資格をとっていきます。
これは何年もかかります。

そして、沖合、遠洋の大型漁船。
一番下の甲板員(あるいは機関員)からスタート。
3年経って、海技士免許を取ることができると、二等航海士、一等航海士、船長
(あるいは二等機関士、一等機関士、機関長)
に昇進します。
海技士試験では「筆記試験合格」と「3年の乗船経験」で、面接試験を受けることができます。
学園在学中に筆記試験の勉強をして、合格することができます。

と、ここまで書いておいて・・・
資格はもちろん大事ですが、それ以上に漁師として大事なモノがあります。
学園は専門校として、一年をかけて伝授します。
ブログの読者の方は、わかりますよね?

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 園長のつぶやき
漁船に乗っていると、陸上の便利な生活は味わえません。
好きなモノを食べる、新しいドラマや映画を見る、クルマでドライブする・・・
漁師は不幸な仕事で、
これが理由で漁師になる人が減っているのでしょうか?

キャンプが趣味の人は多くいますよね。
人があまりいない山や海に行って、わざわざ不自由な生活をします。
中には高価なキャンピンカーを使う人もいますが、それも自宅での生活より不便なはずです。
むしろ、不便な生活を楽しむためにキャンプに行くのではないでしょうか?

例えば、登山家なんか「山に登る」ためだけに、他のことは苦労とも、不便とも思わないのではないでしょうか
山に登る達成感に比べれば、他は些細(ささい)なことなんでしょう。
だから登山家は不幸な仕事ではありません。
便利な生活に大きな価値を置く人は登山家にはなれません。

実際に漁船の生活に不便なことは多いです。
だからこそ、久しぶりに港に帰ることがとてもうれしく感じます。
登山家が山に登るのと同じように漁師も魚を捕る喜びを得るために海に出ます。
不自由なたくさんのことは、大きな問題ではありません。だから船の生活ができます。

学園に来る見学者に
「漁師なったら東京オリンピックは見られないと思ってください」
と話します。
そんなことはどうでも良い!
と思える人が漁師になる一つの条件です。

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学園の実習5 漁具づくり

2019年08月13日 09時00分00秒 | 実習

漁具というのは魚を捕るのに使う道具です。
釣り竿、網などです。
ロープもマグロはえ縄で使えば漁具になります。

学園では二学期になると漁具を作る実習が始まります。
カツオの一本釣りに使う竿を作ります。
もちろん、竿の本体は市販のモノでグラスファイバー製です。
これにテドコ、カンザシ、バケを取り付けます。
バケは市販品もありますが、学園では実習で作成します。

 

そして三学期は網。
糸から網を編むことをしますが、難しいのは修繕。
破れた状況から最小限の直し方を判断することが求められます。
三学期は短いし、2回の海技士筆記試験もあります。
勉強も進めながら、実習も最後のひと踏(ふ)ん張(ば)りです。

学園の見学、お待ちしてます。
詳しくはホームページをご覧ください。
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 園長のつぶやき
一学期末の三者面談では保護者の方に成績表をお渡しします。
ある保護者の方が
「今まで1か2しかなかったので、こんなに良い成績は初めてだ」
と驚いていました。
学園で生き生きとやっている生徒は、こうなることも珍しくありません。
がんばって取り組めば、結果もついてきます。

全員がこうなれば良いんですが・・・
中には、学園に来てから「気の抜けたように」なる人もいます。
本当に漁師をめざしているのか疑問(ぎもん)を感じてしまいます。

どうして、そうなってしまうのか?
その理由の一つです。
中学や高校で、うまくやれていない。
  ・・・ ここから抜け出したい。
そんなときにテレビなどで漁師を見ます。
 広い海で船を自由に操り、楽しそうに魚を捕っている。
「いいかも?ちょっと、やってみたい」
となります。

「漁師になりたい」が「現実逃避(げんじつとうひ)」となっているのかもしれません。
こんな人は、学園に来ても授業に身が入りません。
 だから、寝てしまう
  実習も楽しくない。

漁師は、仕事で魚を捕るので、レジャーの釣りとは次元(じげん)が違います。
苦労もたくさんあるけど、ネットやテレビの動画では良いところばかりが目につきます。

漁師は楽しいだけの仕事ではありません。
でも、魚を捕ることが何より楽しいから他の苦労も乗り越えられる仕事です。

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学園の実習4 ロープ加工

2019年08月09日 09時00分00秒 | 実習

ロープを扱う実習は結び方の他に加工あります。
これは慣れるまで忍耐(にんたい)がいる実習です。
この前、ご紹介した実習用の資料にも書かれています。

 


実習棟の壁に
 できるからと飽きるな
 できないからと諦めるな
とあります。
特にクロスロープと呼ばれる編み込んで作るロープは難しいです。
それでも、諦めずに続ければほとんどの人は習得できますよ!


学園の見学、お待ちしてます。
詳しくはホームページをご覧ください。
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 園長のつぶやき
機械化が進んだり、漁業資材の価格が下がったのは良いことです。
それは良いことなんですが・・・このため、傷(いた)んだ資材を修理せずに、買い換えるようになったんですね。
その結果、学園でやっているロープ加工、あるいは網の修繕も、できない漁師が増えています。
これも時代の流れで、仕方ないのでしょうか?

特にクロスロープの修繕は就職した船で「できる人は誰もいない」ってことがあります。
その分、学園の卒業生は「やるなぁ!」って評価されるんですけどね。

簡単に使い捨てにせずに、修理してトコトン使う。
これは日本人の美徳(びとく)の一つではないでしょうか?
船の上では、いざというときに代わりのものがないことだってあります。
直すことができれば、そのまま漁を続けることができます。
だから、道具の修理は漁師の必須(ひっす)の技術だと思うんですけど、
私の考えは古い?

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