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藤井高志さん死去(北広島の画家)

2019年08月03日 10時10分15秒 | 情報・おしらせ
 北広島の画家、藤井高志さんの訃報が、けさの北海道新聞おくやみ面に載っていました。66歳でした。
 藤井さんは数年前にがんを患いましたが、その後は体調も快復し、全道展会員や「グループ環」会員として、「櫂」メンバーとして、さらに個展にと、盛んに制作・発表を続けていただけに、おどろきました。


 藤井さんは空知管内浦臼町晩生内おそ き ない生まれ。
 赤平などの炭鉱マチで幼年時代を過ごし、北見工大を卒業後、北広島市の職員として建設課などで働いていました。
 そのかたわら、蒼騎展に出品し会員となり、1988年には安井賞(当時の洋画壇では有名な賞。本賞受賞は、芥川賞を受けるのに相当した)にもノミネートされています。
 50代になり、市文化芸術ホール館長を務めた後、定年よりも早く退職して画業に専念しようとした矢先に、がんにかかりました。

 藤井さんの小品は静物や風景が多く、大作は過去と現在の家族像と風景を組み合わせた作品などをよく手がけていました。
 画風は写実的ですが、スーパーリアリズムではなく、端正で穏やかなものでした。
 ご本人もたいへん穏やかで、静かに話す方でした。
 66歳は、全道展会員ではまだまだ中堅といってよく、今後の画業の展開が楽しみだっただけに、残念でなりません。

 冒頭画像は、昨年10月、北広島駅構内エルフィンパークで開かれていた「北広島の芸術家たち展」。そこに展示されていた藤井さんの、イタリア・アッシジの風景画です。
 おそらく、全道展絵画部の実力派でつくる「櫂」メンバーで欧洲旅行に行ったときのスケッチがもとになっているのでしょう。
 糸杉のある丘から平地を見下ろした風景は、ちょっと枯れ草色を帯びながらも透明感をたたえていて、いつかこの地に行ってみたいと思わせるすばらしいものでした。
 筆者は藤井さんというと、この絵を思い出します。

 ご冥福をお祈りします。


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藤井高志小品展(2014、Twitter)

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藤井高志展 (2009)


※以下、画像なし
第5回櫂展(2007年)
第4回櫂展
第1回グループ櫂展
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(顔写真は、全道展の会員名簿から拝借しました。都合が悪ければご一報ください。削除します)


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