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同じ市内なのに始発から終点まで2時間かかる路線バスの旅●2024年12月、釧路へ (9)

2024年12月17日 08時15分00秒 | つれづれ日録
(承前)

 冒頭画像は、阿寒湖バスセンターに掲げてある時刻表です。
 これを見ると、阿寒湖温泉から釧路市街へ路線バスで移動する場合、選択の余地に乏しいことがわかると思います。
 朝、午前、夕方の3本しか路線バスがないのですから。
(一応、釧路空港で釧路駅前行きのバスに乗り継ぐことはできるので、1日4本という言い方は可能ですが)

 紙が貼ってあって運休中となっているのは、7~10月の間だけ夕方にもう1本バスがあるのです。

 この時季は、午後4時15分のバスに乗る以外に選択肢がありません。
 また、反対方向のバスは釧路駅発が午前10時10分、午後2時50分、5時15分の3本しかなく、まず釧路に着いてから阿寒湖温泉に向かってアイヌアートウィークを見ようとすると、同温泉に宿泊する以外に方策がないこともわかります(その日のうちに、阿寒湖温泉で作品を見てから釧路に戻ることが不可能)。
 


 地図を見ると、釧路市の市域は縦に細長いことがわかります。
 北の方にある、飛ぶ鳥の形をした湖が阿寒湖ですね。
 市域のうちざっくり北のほうの8割は旧阿寒町です。
 ちなみに旧阿寒町役場は、阿寒湖畔ではなく、もっと南側にありました。
 阿寒湖と太平洋を南北に結ぶ国道240号が「く」の字を描いて、左側(西側)から来た高速道と接続しているところがありますが、旧役場のある阿寒町市街はその少し上のあたりです。

 なお、西側にも釧路市の市域が飛び地で存在しますが、これは旧音別町です。

 始発から終点まで70キロ以上を、2時間で結びます。
 停留所は77か78カ所あります。

 2時間走ってもまだ同じ市内というのは、北海道外の基準ではかなりおかしいと思います。

 車体は一般的な路線バスとおなじものです。
 各地の都市間高速バスや急行路線のように、全席2人掛けや、3列シートなどではありません。
 
 筆者のほかには乗客が3人、前方の1人掛けにすわっていました。

 いかにも観光路線らしく、発車直後などで、国立公園やタンチョウについて紹介するテープの音声が流れます。
 
 国道240号は随所の路面に「シカ注意」と白い文字が書かれていました。
 よっぽど多いのでしょう。

  
  
それにしても、三つ目のバス停の上徹別かみてしべつですでに出発から35分が経過し、運賃は千円になっています。
 バスは停留所を、乗り降りする人がいないのですべて通過し、信号も全くないため、一度も停車することなく走ります。
 あたりは暗闇で何も見えません。
 都会の常識で「路線バス」をとらえていると、驚くしかない体験です。

 バスが初めて停車したのは、午後4時56分ごろ「丹頂の里」で、アジア系観光客3人を乗せたときでした。

 反対側の窓から三日月と惑星が並んで光っているのが見えます。
 美しい眺めですが、写真には撮れませんでした。

 原生林や牧場地帯(夜なので未確認ですが)をすぎて、旧阿寒町市街に入り、約44キロ走ってきて初めて信号に引っかかります。
 「小学校前」(なぜか阿寒小学校とはいわない)で1人、「阿寒高校前」で3人が乗車してきます。

 バスはいったん国道からそれて、釧路空港に寄ります。
 しかし乗降客はいませんでした。

 いよいよ太平洋が近づいてきます。
 「高専前」(大楽毛高専、というバス停の名ではない)で6人乗ってきました。
 このあたりからは釧路の市街地となり、車窓の外には家やお店が立ち並び、客も増えてきて、わたしたちがふだん利用している路線バスとおなじ雰囲気になってきました。
 バスは国道38号に入って市街を東へと進みます。一時は高校生らで30人近い客が乗っていました。
 
 
 国道38号は新釧路川の左岸堤防を走って南側から釧路駅方面にアプローチしますが、バスはまっすぐ川を越えて、共栄大通を経由して駅北口を通ります。
 そして、途中で三叉路になる跨線橋を渡って、旭町から十字街を経て釧路駅前バスターミナルに到着しました。

 2750円を現金で払います。
 これも、同じ市内の路線バスの運賃としては、すごい額だと思います。

 しかし、もっと驚いたのは、始発から乗ってきた3人が、筆者が泊まる予定のホテルへと入っていったことでした。
 

 阿寒湖バスセンターから終点までのバス停は次のとおり。

雄阿寒分岐
第1飽別
上徹別
第2上徹別
47線
第3蘇牛
下畑
西徹別入口
29線
27線
26線
25線
丹頂の里
22線
20線
18線
阿寒町
行政センター前
小学校前
阿寒高校前
旭町
阿寒町入口
片山前
迂遠別入口
迂遠別橋
迂遠別変電所
沼館牧場
17号
鶴公園(電光表示は丹頂鶴自然公園)
鶴丘9線
養鶏農場
釧路空港
鶴が丘学園通
流通センター
バラス山
北畜前
よつ葉乳業前
高専前
大楽毛分岐
大楽毛駅前
王子製紙前
大楽毛2丁目
大楽毛1丁目
星が浦大通5丁目
星が浦大通4丁目
星が浦大通3丁目
星が浦大通2丁目
星が浦ショッピングセンター前(車内アナウンスは「ショッピングセンター前」)
星が浦大通1丁目
鳥取大通9丁目
鳥取分岐
西郵便局前
陸運支局前
鳥取大通5丁目
鳥取大通4丁目
鳥取神社前
鳥取大通3丁目
鳥取大通2丁目
治水入口
新橋大通6丁目
新橋大通4丁目
大曲
日赤通
共栄大通7丁目
三共通(「三共」だったかも)
共栄大通1丁目
駅北口
旭町ショッピングセンター
旭町
栄町6丁目
十字街7丁目
中央図書館・道銀前
釧路駅前バスターミナル


 同じ路線の中に同じ名称のバス停がある(旭町)のって、どうなんだろう。混乱しないってことは、通して乗る人があまりいないという前提なのかな。
 片方のショッピングセンターには「前」がついて、もう一方にはつかないのもおもしろい。




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