北海道美術ネット別館

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浮世絵に見る「いき」-高橋博信の眼(1月28日まで) (2)

2007年01月11日 21時34分41秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
江戸名所 梅屋舖の図

 火の付いていないろうそく、鉢など、いろいろなものが描かれている。女の着物は、琴と菊の模様。なかなかおしゃれだ。
 ところで、梅屋舗といえば、京浜急行線の駅(大田区)を思い出す人もあるだろうけど、品川からはるか南の地名がここに出てくるとは考えにくい。
 これは、広重が名所江戸百景でとりあげた亀戸(かめいど。江東区)の梅屋舗ではないか。
 ファン・ゴッホが模写した絵だといわれれば、なるほどと思う人も多いだろう。
 複雑な枝ぶりの梅があることで知られ、多くの花見客でにぎわったが、明治期に廃園になったらしい。

 梅屋舗は、この地図の「光明寺」の少し南側にあったらしい

「江戸自慢 両国夕涼」

 水色のゆかたを着た美女が、胸元をはだけ、帯も解け気味というセクシーな1枚。
 ひざを立て、ひじをついて、床にねそべっている。
 両国はいまでも納涼花火で有名。
 この絵でも、こま絵の中に花火らしい赤い線が描かれている。
 当時から、夏はたいへんなにぎわいだったという。

「当世三十弐相 しばいが見た相」「当世三十弐相 たてひき相」

 色が鮮やかで、とても150年以上前の印刷とは思えない。
 茶色に近い黄色や、青、紺などさまざまな濃さの青を駆使して、複雑な発色を見せている。
 また、鬢の1本1本までが丁寧に描かれ、当時の印刷技術の水準の高さには、うなるしかない。 

12月13日(水)-2007年1月28日(日)
道立近代美術館(中央区北1西17 地図D
これくしょん・ぎゃらりぃの2階から入れば無料です。


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