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■第43回アルディ展 (2015年3月23日~28日、札幌)

2015年03月29日 02時32分00秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 「アルディ会」は、戦後の道内洋画壇を代表する存在だった国松登さんがHBC文化センターで指導していた伝統ある絵画教室。それを、全道展の後輩だった米谷哲夫さんが、道新文化センターで引き継いでいる。
 以前は、全道展会友や入選者が数多く在籍し、100号クラスの大作油絵を並べた、大型のグループ展という印象があったが、この数年で生徒さんが減少傾向にあるように感じられ、少し寂しくなった。大作も少ない。

 100号大を2点も出しているのは、間もなく80代を迎えようかという講師の米谷さんその人である。
「エレガントフィーバー I」は抽象、「エレガントフィーバー II」は具象。
 黒い地に白と黄色の線が縦横に走る。
 一口に言うと「汚い」画面なのだが、この汚さこそに、米谷さんの強い思いと粘りのようなものがこめられているのではないだろうか。
 「II」のほうは、鉄柵のような中に下着姿の女がとらわれている図のようにも見える。これは何を意味するのか。

 北野敬子さんも全道展の常連で、やはり荒く激しいタッチ。「北の大地 1」はオーカーや黄色の乱舞で混とんとしている。

 仲井みち子さんは、以前は全道展に湿原の絵を出していたが、今回の「風景 I」は、黄緑の斜面が向こう側に上っていく明るい景色である。前景に、カラスの止まった枯れ木が描かれている。
 空は青く、地面は緑に覆われ、早春の風景だろうか。枯れ草色の湿原に比べると、心安らぐ明るい情景だ。

 石井孝雄さん「エトモ トツカリ」は小品ながら目を引いた。
 室蘭の風景なのだろうが、断崖や岩礁、木々が硬い直線で表現され、かつてフランス画壇を席巻したビュッフェの絵を彷彿とさせる。緑の海と白い航跡が、画面にふくらみを与えている。


2015年3月23日(月)~28日(土)午前10時~午後6時(最終日~5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)

第36回アルディ会展 (2008)
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