(承前)
スカイホール全室を用い、毎年開かれている書展。
おそらく、この会場で開いているうちで、仕切りの移動壁を最も有効に活用している展覧会ではないかと思います。
いちばん手前が、方舟会(大久保北叟、佐藤仙翠、富樫草臥、中村六處、山田聳宇、山田倘羊の6氏)。
次の空間が大澤千仭書展。
そのとなりが3人展で、いちばん奥が、山田聳宇さんが指導する風心会という、おおむね4部構成になっていました。
作品はほとんどが漢字で、小品の一部に詩文書的なものがある程度。ぜんたいにやわらかい線質が持ち味で、飛沫を散らした力いっぱいの詩文書や大字書などはありません。
むしろ、金文が目立ち、あらためて漢字のなりたちが絵にあるのだということを、来場者に伝えていました。
とりわけ驚いたのが、大澤さんの「金文集字 以呂波うた」。いろはにほへとを金文で書いており、「呂」や「奴」などわかるものもありますが、いろは歌でなければ解読できない絵文字のような字が並んでいます。
方舟会は6人展で、富樫さんの「さぁ、まだ飲もう」は、会場の実作では「さぁ、もっと飲もう」になっていました。
大久保さんの「争坐位稿」は「臨」とありましたが、果たして臨書とは何かをあらためて考えさせました。
今回は、大久保さんのほか大澤さんや3人展の大林游貴さんらも取り組んでおり、会場で何度も「顔真卿」の3文字を見ることになりました。
また、山田聳宇さん「残響」のやわらかさ、余白の美しさにひかれました。
風心会には「参考作品」として、石田栖湖「情疎」が展示されていました。
創作と臨書が半分ずつぐらいで、たえず古典に立ち返るという会の精神が反映されているように感じました。
2024年7月24日(水)~28日(日)午前11時~午後5時半(最終日~4時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
□山田聳宇 https://www.shouu-yamada.com/
スカイホール全室を用い、毎年開かれている書展。
おそらく、この会場で開いているうちで、仕切りの移動壁を最も有効に活用している展覧会ではないかと思います。
いちばん手前が、方舟会(大久保北叟、佐藤仙翠、富樫草臥、中村六處、山田聳宇、山田倘羊の6氏)。
次の空間が大澤千仭書展。
そのとなりが3人展で、いちばん奥が、山田聳宇さんが指導する風心会という、おおむね4部構成になっていました。
作品はほとんどが漢字で、小品の一部に詩文書的なものがある程度。ぜんたいにやわらかい線質が持ち味で、飛沫を散らした力いっぱいの詩文書や大字書などはありません。
むしろ、金文が目立ち、あらためて漢字のなりたちが絵にあるのだということを、来場者に伝えていました。
とりわけ驚いたのが、大澤さんの「金文集字 以呂波うた」。いろはにほへとを金文で書いており、「呂」や「奴」などわかるものもありますが、いろは歌でなければ解読できない絵文字のような字が並んでいます。
方舟会は6人展で、富樫さんの「さぁ、まだ飲もう」は、会場の実作では「さぁ、もっと飲もう」になっていました。
大久保さんの「争坐位稿」は「臨」とありましたが、果たして臨書とは何かをあらためて考えさせました。
今回は、大久保さんのほか大澤さんや3人展の大林游貴さんらも取り組んでおり、会場で何度も「顔真卿」の3文字を見ることになりました。
また、山田聳宇さん「残響」のやわらかさ、余白の美しさにひかれました。
風心会には「参考作品」として、石田栖湖「情疎」が展示されていました。
創作と臨書が半分ずつぐらいで、たえず古典に立ち返るという会の精神が反映されているように感じました。
2024年7月24日(水)~28日(日)午前11時~午後5時半(最終日~4時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
□山田聳宇 https://www.shouu-yamada.com/
(この項続く)