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阿寒アイヌアートウィーク続き●2024年12月、釧路へ(5)

2024年12月11日 20時45分23秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 阿寒アイヌアートウィーク(2024年11月23日~12月15日)の、残りの会場についても簡単にふれておきます。

 以前書いたように筆者は阿寒湖温泉を訪れるのは初めてなので、ピント外れなことを記すかもしれませんが。
 また、各会場の営業時間などについては、公式サイトをご覧ください。

 「吉田屋」は温泉街のなかでも大きな土産物店で、建物は半世紀ほど経過していると思われます。
 1階は店舗の入り口に、これまでも置かれていた木彫りや絵画などのアートに加え、今回のアートウィークの作品が入り混じっていました。

 2階はむかし団体客用の食堂か何かに使われていたとおぼしき広い空間がありました。
 阿寒アイヌアートウィークの説明をプリントした大きなパネルのほか、作品がありました。
 この2階の展示は、伝統工芸に現代的なアレンジを加えたラインナップが中心です。


 郷右近 富貴子「アイヌ文様ランプシェード」。
 

 下倉洋之「SIN-EN」。
 哲学者ニーチェの「深淵を長くのぞきこめば、深淵もまたあなたを見ている」という言葉に着想を得たそうです。

(どうでもいい話ですが、ニーチェって最近ほとんど、言及されているのを見たことないですね。カントやマルクス、ベンヤミン、アーレント、フロイトといった思想家がいまもさまざまに引用されているのに対し、休息に忘れられつつあるような…)

 1階に展示されていた藤戸竹喜の作品は、アイヌアートウィーク以前からあるようです。



 
 ただし、玄関に立っていた、丸太から彫りだしたクマの木彫何点かは、お店の人に聞いたら、藤戸竹喜ではないとのこと。
 アイヌ民族には何人木彫の天才がいるのか、ちょっとおそろしくなってきます。


 なお1階の奥のほうは、一般的な土産物店になっていて、中国語を話す観光客が大勢来ていました。


 ホテル御前水のロビーは1点だけ。






 秋辺日出男さん「魚」。 
 よ~く見ると、青い着彩が施してあったりして(あるいは、もともと染料が木に附着していた?)、奥深い木彫です。




 順番が逆になりましたが、阿寒湖バスターミナルも会場の一つになっていて、木を組み立てた枠に、ドローイング十数点が展示してありました。
 


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