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梅田哲也「回回声」 2023年10月7日その3―ROOTS & ARTS しらおい/白老文化芸術共創

2023年10月10日 09時21分25秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(承前)

 白老駅の南側(市街地側)に戻り、まずは、昨年訪れたときには激しい風雨のため公開中止になってしまった梅田哲也作品を見るために、駅から海岸へ向かう道路を歩きます。
 片側2車線の広い道路ですが、交通量は多くありません。
 
 会場は、フライヤーには
「THE OLD GREY BREWERY 直営店予定地」
とありますが、それでは地図などを見てもたどり着けません。
 白老郵便局の手前にある平屋で、以前は何かのお店か事業所だったのでしょう。
 
 
 昨年、白老で発表した「回声」の続編だそうです。

 見た印象では、2017年の札幌国際芸術祭の「りんご」会場で発表したものと似ています。
 会場内にいくつかガラスの球体がつりさげられ、そのうちいくつかの間は細い透明なパイプでつながっていてその中を水が循環しています。

 おそらく、時間がたてば、ガラスの球体の中にたまった水の重みで、上のほうの球体と下のほうの球体の一が逆転するのでしょう。
 
 
 ただ、筆者はそれなりに長い時間滞在していたのですが、そういう瞬間には立ち会えませんでした。

 何分ぐらいいれば良かったのかな。
 
 会場の隅には漁網がつり下げられて、その内側にも透明な球体が配置されています。

 球体は「浮き」のようだし、古タイヤも置かれているし、梅田さんが地元で調達したのかもしれません。白老は漁業のマチでもあります。
(もちろん、こんなに大きな口があけてあれば「浮き」としては役目を果たせないわけですが)
 
 

 
 ガラス玉(と書くと、なんだかヘルマン・ヘッセみたいだな)の配置はかわりませんでしたが、天井のスピーカーが数分おきにぐるぐる高速で回転していました。
 
 とくべつ何か大きな音を出していたわけではありません。
 
 というか、どんな音をしていたのか、思い出せない…。
 
 

 というわけで、あいかわらずよくわからない、でもなんだかずーっと滞在して、見て、耳を澄ましてしまう、この作者独特の空間が広がっているのでした。

 ただ札幌国際芸術祭のことを思い返すと、この作者のインスタレーションはもっと薄暗い空間のほうが「ばえる」かもしれません。
 ROOTS & ARTS しらおいが、午前10時から午後4時までなのが惜しまれます。
 もちろん、明るいところで見ても、それはそれでおもしろいのですが。




過去の関連記事へのリンク
札幌国際芸術祭(2017、ほとんど記述なし)
梅田哲也展(2016、画像なし)



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