![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/06/d67c3900aae82bf0a30360b7ed93a946.jpg)
(承前)
通常は、所蔵品を展示しているが、今回は開館15年を記念し、道立近代美術館と道立帯広美術館から作品を借りてきて、ひと味違った神田日勝展となっている。
そして「独立選抜展と神田日勝」「全道展と神田日勝」といったパネルを展示して、平原社展、全道展、独立展といった公募展と神田日勝の関係がわかりやすく解説されている。平原社展に関する最新の知見も反映されている。
当時の新聞コピーも多くはりだされている。
作品だけではなくて、神田日勝の世界に、多角的に迫れるように工夫されているのがうれしい。当時の「北海タイムス」が、「神田さんが道展会員に」と報じているのが、みっともなくて笑える(もちろん「全道展」の誤り)。
しかし、なんといっても今回の「売り」は、神田日勝の代表作「室内風景」と、絶筆「馬」が、はじめておなじ空間に展示されていること。
「室内風景」は道立近代美術館の所蔵品なので、ふだんは鹿追では見ることができない。「馬」は、神田日勝記念美術館のお宝である。
2点とも、もう何度も見た作品ではあるけれど、同一の展示場にある-という現場を見たかったのだ。
いつも「馬」がかかっている、いちばん奥の壁に「室内風景」が陳列されている。
何度見ても異様な作品だと思う。
そして、絵の中の、壁一面にはり付けられた新聞を読んでしまう。
思えば、木田金次郎も一原有徳も佐藤忠良も
「誰がなんと言おうとこれが代表作だ!」
という作品はないが、神田日勝の場合は、この「室内風景」以外に、代表作は考えられない。
と、同時に、この作品の記載されていない「北海道美術史」というのも、およそ想定できないだろう。
いろいろと考えながら展示室を出て、おとなりの町民ホールで第2回北海道現代具象展を見る。
なんだか見たことのない絵が多いなあと思っていると、これは、昨年暮れに道立近代美術館でひらかれたものの巡回展ではなく、ここ鹿追を皮切りに全道を巡回し、札幌には年末にまわってくるのだそうだ。
副館長のSさんと学芸員のKさんに、無沙汰をわび、しばし会話に興じていると、独立美術会員の画家Sさんが登場。
翌24日の「馬耕忌」のシンポジウムに出席するため、自家用車とフェリーを乗り継いで到着したとのこと。
このシンポジウムは、「室内風景」が登場した当時を知るパネリスト4人が登場する。
なぜ「室内風景」は独立展で入選はしても入賞はしなかったのか、当時の独立展での評価はどうだったのか、道内でいち早く「名作」と認知されたのはどういういきさつがあったのか…。
24日が仕事じゃなかったら、聴きたかったなあ。
08年7月8日(火)-8月24日(日)10:00-17:00(入場-16:30)、月曜休み(ただし7月21日は開館し翌22日休み)
神田日勝記念美術館(十勝管内鹿追町東町3)
□http://kandanissho.com/
・新得駅か帯広駅から拓殖バスで「神田日勝記念美術館前」降車
(この項続く)
通常は、所蔵品を展示しているが、今回は開館15年を記念し、道立近代美術館と道立帯広美術館から作品を借りてきて、ひと味違った神田日勝展となっている。
そして「独立選抜展と神田日勝」「全道展と神田日勝」といったパネルを展示して、平原社展、全道展、独立展といった公募展と神田日勝の関係がわかりやすく解説されている。平原社展に関する最新の知見も反映されている。
当時の新聞コピーも多くはりだされている。
作品だけではなくて、神田日勝の世界に、多角的に迫れるように工夫されているのがうれしい。当時の「北海タイムス」が、「神田さんが道展会員に」と報じているのが、みっともなくて笑える(もちろん「全道展」の誤り)。
しかし、なんといっても今回の「売り」は、神田日勝の代表作「室内風景」と、絶筆「馬」が、はじめておなじ空間に展示されていること。
「室内風景」は道立近代美術館の所蔵品なので、ふだんは鹿追では見ることができない。「馬」は、神田日勝記念美術館のお宝である。
2点とも、もう何度も見た作品ではあるけれど、同一の展示場にある-という現場を見たかったのだ。
いつも「馬」がかかっている、いちばん奥の壁に「室内風景」が陳列されている。
何度見ても異様な作品だと思う。
そして、絵の中の、壁一面にはり付けられた新聞を読んでしまう。
思えば、木田金次郎も一原有徳も佐藤忠良も
「誰がなんと言おうとこれが代表作だ!」
という作品はないが、神田日勝の場合は、この「室内風景」以外に、代表作は考えられない。
と、同時に、この作品の記載されていない「北海道美術史」というのも、およそ想定できないだろう。
いろいろと考えながら展示室を出て、おとなりの町民ホールで第2回北海道現代具象展を見る。
なんだか見たことのない絵が多いなあと思っていると、これは、昨年暮れに道立近代美術館でひらかれたものの巡回展ではなく、ここ鹿追を皮切りに全道を巡回し、札幌には年末にまわってくるのだそうだ。
副館長のSさんと学芸員のKさんに、無沙汰をわび、しばし会話に興じていると、独立美術会員の画家Sさんが登場。
翌24日の「馬耕忌」のシンポジウムに出席するため、自家用車とフェリーを乗り継いで到着したとのこと。
このシンポジウムは、「室内風景」が登場した当時を知るパネリスト4人が登場する。
なぜ「室内風景」は独立展で入選はしても入賞はしなかったのか、当時の独立展での評価はどうだったのか、道内でいち早く「名作」と認知されたのはどういういきさつがあったのか…。
24日が仕事じゃなかったら、聴きたかったなあ。
08年7月8日(火)-8月24日(日)10:00-17:00(入場-16:30)、月曜休み(ただし7月21日は開館し翌22日休み)
神田日勝記念美術館(十勝管内鹿追町東町3)
□http://kandanissho.com/
・新得駅か帯広駅から拓殖バスで「神田日勝記念美術館前」降車
(この項続く)
2008年の今年は第2回北海道現代具象展。鹿追町を皮切りに始まったことは画期的なことだと思いますし招待作家が年々充実を重ねていることに驚きをもって観ています。
今年の具象展は、網走などを含め、6ヶ所での開催のようです。
招待作家も充実していますね。畑中優さんがおもしろいなあ。