(画像は、手元にあった古いバックナンバーです)
さすがにびっくりしました。大正時代に創刊された雑誌ですよ。
カメラ雑誌としてはもちろん日本最古。「カメラ」というくくりを外しても、かなり古い部類に入る雑誌ではないでしょうか(明治期の創刊に「新潮」「国華」「婦人画報」などがありますが)。
「デジカメ Watch」のサイトによると、1942~49年は戦争の影響で休刊していたそうです。
また、朝日新聞社が主催する新人写真家の登竜門「木村伊兵衛賞」は、今後も継続するとのこと。
J-CAST ニュースによると
とのこと。
ただし、近年は号によっては、持ち直す傾向にあったといいます。
それもそのはずで、カメラ雑誌のなかで、アサヒカメラの意欲的な特集テーマは、この数年は他誌のくらべて「攻め」の姿勢が感じられたからです。著作権や肖像権、デジタル時代のレタッチなど、従来あまり取り上げられなかった話題にも、果敢に取り組んでいました。
ただ、新聞報道などによれば、この数号、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で広告が激減したことも休刊の引き金になったとのことです。
広告もカメラ雑誌の大事な要素です。
カメラやレンズの新製品はもちろんですが、巻末の新品・中古カメラ店が出稿する細かい字の広告も、相場を知るのに重要な情報です。
また、冒頭のグラビアは、各地で開かれている写真家の個展や、出版された写真集のダイジェストとして、役に立ちますし、ほかにも、新製品の使用リポート、全国の写真ギャラリー日程、各地の写真クラブの紹介など、盛りだくさんの情報を網羅しています。
有名写真家が選評を担当する月例コンテストはアマチュアの励みになっていました。
それにしても。
「カメラマン」が先日とつぜん休刊したばかり。
まだ「日本カメラ」「CAPA」「コマーシャルフォト」「フォトテクニックデジタル」「フォトコン」「デジタルカメラマガジン」「風景写真」(順不同)といった雑誌は出ているわけですが、いちばんの老舗雑誌を、大手新聞社が支えきれないというあたりに、紙媒体の苦境を感じます。
「映画秘宝」みたいに、編集部ごと別の出版社に移籍するわけにもいかないんでしょうね。
そして、写真のデジタル化というのは、けっして記録媒体の変化にとどまらないことを、この休刊が象徴しているような気がします。
デジタル時代の変化とは、非常に粗雑なまとめですが…
イ)写真はプリント・印刷してナンボ → プリント・印刷せずモニターやスマートフォンで見て、シェアする
ロ)アマチュアはサークルやクラブで活動 → 個人で活動
ハ)高級機材志向 → iPhone でじゅうぶん
等々が挙げられるでしょう。
買いたくてもなかなか買えないカメラやレンズ、周辺機材の情報を集めたり、毎月のコンテストに応募して仲間と切磋琢磨したり、といった旧来の行動をとらない、今どきの写真好きアマチュアには、カメラ雑誌はそれほど必要でないものになってきたといえるのかもしれません。
写真愛好家の共通のプラットフォームとしてのカメラ雑誌が、その相対的な存在感を低下させるのも、むべなるかなというところです。
とはいえ、写真界の定点観測の座標がひとつ失われるというのは、寂しいという感覚的なことだけではなく、あとから歴史を振り返るときも不便だと思うなあ。
さすがにびっくりしました。大正時代に創刊された雑誌ですよ。
カメラ雑誌としてはもちろん日本最古。「カメラ」というくくりを外しても、かなり古い部類に入る雑誌ではないでしょうか(明治期の創刊に「新潮」「国華」「婦人画報」などがありますが)。
『アサヒカメラ』は、6月19日発売の2020年7月号をもって休刊することとなりました。1926(大正15)年4月の創刊以来、94年という長きにわたり、ご愛読、ご協力くださったみなさまに、心から、お詫びとお礼を申し上げます。詳細はこちらでご確認いただけます。https://t.co/1dXALsLjLF
— アサヒカメラ編集部 (@asahicamera) June 1, 2020
「デジカメ Watch」のサイトによると、1942~49年は戦争の影響で休刊していたそうです。
また、朝日新聞社が主催する新人写真家の登竜門「木村伊兵衛賞」は、今後も継続するとのこと。
J-CAST ニュースによると
日本ABC協会がまとめた上期(1~6月)の平均販売部数は、06年4万482部、10年3万1346部、14年2万1159部、18年1万6573部と年々減っていた。
とのこと。
ただし、近年は号によっては、持ち直す傾向にあったといいます。
それもそのはずで、カメラ雑誌のなかで、アサヒカメラの意欲的な特集テーマは、この数年は他誌のくらべて「攻め」の姿勢が感じられたからです。著作権や肖像権、デジタル時代のレタッチなど、従来あまり取り上げられなかった話題にも、果敢に取り組んでいました。
ただ、新聞報道などによれば、この数号、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で広告が激減したことも休刊の引き金になったとのことです。
広告もカメラ雑誌の大事な要素です。
カメラやレンズの新製品はもちろんですが、巻末の新品・中古カメラ店が出稿する細かい字の広告も、相場を知るのに重要な情報です。
また、冒頭のグラビアは、各地で開かれている写真家の個展や、出版された写真集のダイジェストとして、役に立ちますし、ほかにも、新製品の使用リポート、全国の写真ギャラリー日程、各地の写真クラブの紹介など、盛りだくさんの情報を網羅しています。
有名写真家が選評を担当する月例コンテストはアマチュアの励みになっていました。
それにしても。
「カメラマン」が先日とつぜん休刊したばかり。
まだ「日本カメラ」「CAPA」「コマーシャルフォト」「フォトテクニックデジタル」「フォトコン」「デジタルカメラマガジン」「風景写真」(順不同)といった雑誌は出ているわけですが、いちばんの老舗雑誌を、大手新聞社が支えきれないというあたりに、紙媒体の苦境を感じます。
「映画秘宝」みたいに、編集部ごと別の出版社に移籍するわけにもいかないんでしょうね。
そして、写真のデジタル化というのは、けっして記録媒体の変化にとどまらないことを、この休刊が象徴しているような気がします。
デジタル時代の変化とは、非常に粗雑なまとめですが…
イ)写真はプリント・印刷してナンボ → プリント・印刷せずモニターやスマートフォンで見て、シェアする
ロ)アマチュアはサークルやクラブで活動 → 個人で活動
ハ)高級機材志向 → iPhone でじゅうぶん
等々が挙げられるでしょう。
買いたくてもなかなか買えないカメラやレンズ、周辺機材の情報を集めたり、毎月のコンテストに応募して仲間と切磋琢磨したり、といった旧来の行動をとらない、今どきの写真好きアマチュアには、カメラ雑誌はそれほど必要でないものになってきたといえるのかもしれません。
写真愛好家の共通のプラットフォームとしてのカメラ雑誌が、その相対的な存在感を低下させるのも、むべなるかなというところです。
とはいえ、写真界の定点観測の座標がひとつ失われるというのは、寂しいという感覚的なことだけではなく、あとから歴史を振り返るときも不便だと思うなあ。