北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

望月建「環」 太陽の丘えんがる公園10

2020年07月09日 09時09分09秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 遠軽町市街地のすぐ西側の高台に広がる「太陽の丘えんがる公園」の野外彫刻を紹介するシリーズの続きです。

 有名なコスモス園の入り口そばに6基点在しており、そのうち4基がこれまで紹介してきた小林繁美さんの作品。
 残る2基が望月建さんと小石巧さんの作品です。


 望月建さんも道展では彫刻ではなく工芸に属しており、金工作家です。
 道展会員で、石狩市厚田にアトリエを構えています。

 筆者は、望月さんの器などは見たことがほとんどなく、毎年の道展にはシンプルで力強い立体造形を出品しています。
 個展の回数は少ない方だと思われます。
 下のリンクにも、個展は一つしかありません。
 その1回は本郷新記念札幌彫刻美術館を借りて開いたもので、見応えがありました。

 この「環」は、三つの環を少しずつずらして並べ、台座の上に置いたもの。
 環といっても、円環をなしているのは奥の一つだけで、中央の一つは3分の2ほど、手前の一つに至っては円環の一部だけになっています。
 しかし、この欠落が、見る人の想像力をむしろかきたてる役割を果たし、作品の世界に、宇宙のような広がりをあたえているように思えます。


 向こう側にある小林繁美さんの「ミノタウロス」の下半分をなす円環と、望月さんの作品とが、響き合っているようにも見えてきます。


関連記事へのリンク
厚田4人展 (2017)
望月建「環そして宙船(そらふね)」金属造形 半世紀の軌跡 (2014)



・JR遠軽駅、遠軽バスターミナルから約2.4キロ、徒歩30分

(この項続く) 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。