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砂川で「浮浪工房」を営む内海眞治さんはふしぎな方である。
一般的には「陶芸家」ということになるのかもしれないが、つくるものは食器などのうつわにとどまらない。人形や、壁に掛けるふしぎな花器、オブジェなど、なんでもこしらえてしまう。木や金属など他の素材と組み合わせることもいとわない。
それらの作品は、いかにもプロの職人が手がけた驚きの精巧さを持っているという雰囲気ではない。とはいえ、もちろん、素人くさいものではないのだけれど、見ていると、それぞれに堅苦しいところがあまりなくて、庭いじりと日曜大工が好きなおじさんがコツコツと取り組んでいるうちにいつのまにかおもしろいものができあがってきた-というような、自然体の妙味を感じるのだ。
今回の個展は、陶板画の新作がメーンで、大きなオブジェはない。
「冬は屋外で制作できないので。室内ではあんまり大きなものを作れないでしょう」
と内海さん。
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今回の個展の出品作では、このキューピーの陶板画がいちばん愛着があるとのこと。
左側に見える小品は、めずらしく細い線で描かれており、一般的な陶板画のイメージとはだいぶ異なる。
素焼きの前に、縫い針で表面をひっかいて制作しているものもあるそうで、
「銅版画を作るときの感覚に似ていますね」
と内海さんは話す。
あたらしい技法にどんどん挑戦してみるのも内海さんらしい。
筆者は、会場の向かって右側にあった、庭にテーブルを出して食事をしている光景を描いた作品が、なんとなくほほえましくて良かった。
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奥にならんでいるのは、球体の花入れに、ビーズや色ガラスなどを瓔珞のように取り付けてみたもの。
このほか、キューピーや人物の胸像のような人形などもある。オブジェがないとはいえ、それでも多彩な内海さんの世界が展開されている。
2009年1月13日(火)-18日(日)10:30-18:30
さいとうギャラリー(中央区南1西3 ラ・ガレリア5階 地図B)
□浮浪工房だより http://froukoubou.exblog.jp/
■陶・鉄・ガラス 内海眞治個展(08年9月)
■04年の個展「メビウスの塔」
■個展「陶月の宴」(03年)
■3人展(03年、写真なし)