新宿駅西口の地下通路は以前に比べるとこぎれいになった印象がある。
でも、その裏で、浮浪者の追い出しがあったことは、忘れてはならないだろう。
この「新宿の目」は、忘れがたい印象を残すパブリックアートだ。
筆者はこれを見るたびに、諸星大二郎初期の傑作漫画「夢みる機械」を思い出す。
その漫画の主人公の中学生をとりまく人物たち(母親や教師、クラスメート)は、みんなロボットだった。それは、日常生活はロボットに任せ、本人は巨大コンピュータの作り出す夢の世界に生きていたのだ…。
そのロボットを売り出している本部が、「新宿の目」の裏側にあるという設定になっていた。
目がくるっと一回転し、その裏がすべり台のようになっているというのだ。
その奥には、巨大コンピュータが置かれ、母親や教師が頭に端末を付けられてカプセルの中で眠っていた。
夢の中なら、面倒な現実生活とちがい、独裁者となって世界征服もできるし、ターザンにもなれる。自由自在だ。
よく考えると、夢を見ている最中の生命維持はどうなっているのかとか、ツッコミどころはあるのだけれど、初めて読んだときはほんとうに恐ろしかった。
というのは、「この世のすべては夢ではないのか」という、あの原初的とも言える哲学の謎に、この漫画がダイレクトにつながっているからだ。
新宿から山手線で品川へ。
図録が入って重たくなった荷物をコインロッカーに預けようと思って、これまで行ったことのない、高輪口と反対側のアトレ方向へ歩き出したが、いっこうに見あたらない。
NY Cafeという店でスパゲティのランチを食って一休み。ウエーターにコインロッカーの場所を聞くと、ひとつ下の階にあるという。
品川駅の東側はつい数年前まで、何もなかった地域だったはずだ。
それがいまでは高層ビルがたち並んでいる。
芝浦・田町方面へ行くバスに乗ろうと思ったが、乗り場が見あたらない。大田や天王洲アイル方面に行く便の停留所はあるのに…。
しかたなく、東方向へ向かうバスに乗って「港南4丁目」でおり、そこから海岸通を北へと歩きだした。
道路中央の上を高架の首都高速が走り、すぐわきをモノレールが併走し、両者の上を新幹線の引き込み線がまたいでいる。
30階はありそうな高層住宅がいくつも建っている。
これは五色橋。
このあたりの水面はすべて海なのだが、東京の海というのは、北海道民から見ると、まるで海らしくない。
この先で左折し港栄橋をわたり、さらに夕凪橋をわたって、芝浦4丁目のギャラリーに足を向けた。
(続く)
でも、その裏で、浮浪者の追い出しがあったことは、忘れてはならないだろう。
この「新宿の目」は、忘れがたい印象を残すパブリックアートだ。
筆者はこれを見るたびに、諸星大二郎初期の傑作漫画「夢みる機械」を思い出す。
その漫画の主人公の中学生をとりまく人物たち(母親や教師、クラスメート)は、みんなロボットだった。それは、日常生活はロボットに任せ、本人は巨大コンピュータの作り出す夢の世界に生きていたのだ…。
そのロボットを売り出している本部が、「新宿の目」の裏側にあるという設定になっていた。
目がくるっと一回転し、その裏がすべり台のようになっているというのだ。
その奥には、巨大コンピュータが置かれ、母親や教師が頭に端末を付けられてカプセルの中で眠っていた。
夢の中なら、面倒な現実生活とちがい、独裁者となって世界征服もできるし、ターザンにもなれる。自由自在だ。
よく考えると、夢を見ている最中の生命維持はどうなっているのかとか、ツッコミどころはあるのだけれど、初めて読んだときはほんとうに恐ろしかった。
というのは、「この世のすべては夢ではないのか」という、あの原初的とも言える哲学の謎に、この漫画がダイレクトにつながっているからだ。
新宿から山手線で品川へ。
図録が入って重たくなった荷物をコインロッカーに預けようと思って、これまで行ったことのない、高輪口と反対側のアトレ方向へ歩き出したが、いっこうに見あたらない。
NY Cafeという店でスパゲティのランチを食って一休み。ウエーターにコインロッカーの場所を聞くと、ひとつ下の階にあるという。
品川駅の東側はつい数年前まで、何もなかった地域だったはずだ。
それがいまでは高層ビルがたち並んでいる。
芝浦・田町方面へ行くバスに乗ろうと思ったが、乗り場が見あたらない。大田や天王洲アイル方面に行く便の停留所はあるのに…。
しかたなく、東方向へ向かうバスに乗って「港南4丁目」でおり、そこから海岸通を北へと歩きだした。
道路中央の上を高架の首都高速が走り、すぐわきをモノレールが併走し、両者の上を新幹線の引き込み線がまたいでいる。
30階はありそうな高層住宅がいくつも建っている。
これは五色橋。
このあたりの水面はすべて海なのだが、東京の海というのは、北海道民から見ると、まるで海らしくない。
この先で左折し港栄橋をわたり、さらに夕凪橋をわたって、芝浦4丁目のギャラリーに足を向けた。
(続く)
リアルでジャンプでよみました。
懐かしいですね、目玉に寄りかかったら
そのままクルッと回転するんですよね。
なんかそのシーン、思い出しました。
エゾ三毛猫さん、こんなマニアックな漫画をご存じでしたか!
あの目がくるっと回るんですよね。
子どものころ、諸星大二郎の漫画はほんとうに怖かった。
残虐とか血が多いとかそういうんじゃなくて、哲学的な怖さなんですよね。
「マッドメン」とか「妖怪ハンター 生命の木」とか、ほんとにすごい漫画家だと思います。
先に来ていたご夫婦とカワシマさんとの
会話が妙に気になるっ!!
「自宅を片付けて撮影した訳で、、」
「やはり、自分の思うようにロケハン、、」
「自分の思うように、セッティングがね、、」
、、、、だっ、誰?
帰り際、芳名録を見ると、早川渉さん。
諸星大二郎さんの短編「壁男」を、
オール北海道ロケ(しかも大半が中央区)で
撮影したホラー映画を作りました。
思わず「前売り券買いました、楽しみです」と
ミーハー発言しちゃいました。
http://www.tornadofilm.jp/movies/kabe-otoko/
映画は1本見るのに時間がかかるからなあ。
美術は、会場のあいてる時間帯ならいつ見に行ってもいいし、何分間でもいいので、映画に比べると融通がききますよね。
レンタルやネット配信と、映画は封切を
逃しても観るチャンスはあるんですが、
個展なんて、見逃したらそれで終了じゃ
ないですかー。
あー、去年アレやコレ、今でも悔やんでます。
そういやそうですね。
なんせ、レンタルやネットなどを利用して自宅で映画を見るという習慣がまったくないので…。
自宅に2時間以上いて、なにもすることがないなんていう場面は、あまりないんです。