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■齋藤玄輔  THIS PLACE THIS TIME 2020 sapporo(2月23日~3月8日)ー3月29日は7カ所(8)

2020年05月09日 16時27分00秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(承前)

 公式サイトよりコピー&ペースト。

世界中の各種植物は生存可能な環境のもとでしか生息できません。
その地に自生する植物は、その環境・その「場」を表します。

ジリジリと昇ってくる日の出を見ていると、踏みしめている大地が自転する地球の動きを体感できます。
同時に地球の裏側では日の入を迎えています。その地にふりそそぐ光は、その場所の「時間」を表しています。

私の作品は、その地に自生する植物たちを採取し、押し花にしたものから版をつくります。作成した版上にカーボン紙をのせインク面を綿などで少しずつ削り落としていく手刷りの版画作品です。刷り上げたカーボン紙はインクが削られた部分が薄くなるため、裏から光をあてると透過し、光が無くなると黒一色になります。

その「場」の自然を表す植物を用いて、
その場所の「時間」を表す日の光を用いて透過する作品です。

本展「THIS PLACE THIS TIME 2020 sapporo」では、多くの人々が集い、日の光が降り注ぐ札幌市民交流プラザ2階の大窓を使用して、私たちが日々の生活で目にする北海道の植物たちが浮かび上がる作品を展示します。2週間のみ、日中にだけ表れる、日常とは違う幻想的な青い空間を感じとっていただければ幸いです。



 作者によるステイトメントに、これ以上つけくわえることはあまりない。

 二、三、かんたんな要素を書き添えるとすれば、まずひとつめは、デカイ!

 この会場でなければ実現がむずかしかったのではないかと思われる。
(まあ、札幌市民ギャラリーの第1室なども、天井が高いですが)

 いろいろ記憶をたどっても、まずは、北海道内で展示発表された平面作品で史上最大の部類に入るのではないか。
 筆者が思い出してないだけの可能性も大きいが。

 巨大さを実感してもらいたかったので、冒頭画像は、手前の長いすにすわっている人をあえて入れて撮ってみた。

 もうひとつは、遠くから眺めても美しいが、近づくとまったく別の様相が見えてくること。

 大作というのは時として細部はおおまかなものにあるが、この作品は細密画や銅版画の小品のような精緻さが、全面に行き渡っている。

 本のページのあいだに押し葉を挟んだ経験のある人は多いだろうが、あれをどんどんつなげていって巨大な画面にした作品のようでもある。

 会場内の照明がどうしても作品を覆う窓に反射してしまう。

 そして、筆者は一度しか会場を訪れていないのだが、おそらく朝と昼と夜とでは、光のぐあいで、かなり異なったふうに見えていたに違いない。
 可能なら何度も足を運びたかった。


 筆者が行ったとき、すでに会場の図書館は閉まっており、机も利用できないようになっていた。
 このあと、新型コロナウイルスの影響で、札幌文化芸術交流センター(SCARTS)で予定されていた展覧会や催事は軒並み中止に追い込まれていく。


2020年2月23日~3月8日(日)午前9時~午後10時、2月26日休み
※3月29日まで延長
札幌文化芸術交流センターSCARTSモール(札幌市中央区北1西1 市民交流プラザ2階 @SapporoSCARTS )

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(この項続く) 


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