モノトーンの絵画6点と、赤や緑を主体とした絵11点を展示している。いずれも、題はついていない。
冒頭の画像は、モノトーンの絵画のうちの2点。
左側の絵は、砂やスポンジを用いて、荒々しいマチエールをつくりだしている。
亀井由利さんから、この絵のモティーフが、病院の壁についたストレッチャーの痕跡だということをお聞きした。
亀井さんは個展、グループ展、新道展(会員)に、精力的に作品を出品しているが、以前から、数々の病を経験してきた人でもあるらしい。プライバシーにかかわることなので、筆者はあまり聞き出さないようにしているが。
闘病の過程で、ストレッチャーで患者を運ぶ場面を何度も見てきているだろう。
病院の壁についた痕を絵にしよう。
亀井さんはある画家と、そう約束したが、彼はついにその絵を発表しないまま鬼籍に入ってしまった。
彼の遺作展は新さっぽろギャラリーで開かれた。
その後も時々、おなじテーマで手がけるが「ブラックを入れたり、いろいろするけれど、なかなかうまくいかない」と亀井さんは言う。
これからも、会心の作が描けるときまで亀井さんはおなじ題材の絵に取りかかろうとするだろう。ストレッチャーでついた壁の傷跡は、患者さんたちの生の痕跡なのだろうと思う。
亀井さんの絵は、画面の広い部分に、飛沫が散らばっているものが多い。
おそらくは、ひとつひとつの点が、ひとつひとつの生命でもあるのだろう。
2018年6月20日(水)~25日(月)午前10時~午後7時
新さっぽろギャラリー(厚別区厚別中央2の5 デュオ2 5階)
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亀井由利「かかえる」=厚生省買い上げ、菊水のがんセンターに展示
・地下鉄東西線「新さっぽろ駅」、JR新札幌駅直結。
(地下鉄からは、バスターミナル方面行き階段を途中まで上り、サンピアザのプレイガイドがある階段を上って、パン店北欧の先のグリーントンネルを通って、可否茶館の前を右折し、エレベーターで5階へ)