永井美智子さんは札幌在住で、主体美術と新道展の会員。一貫して、さまざまな色のかけらが、まるで大きめの紙吹雪のように画面に舞っているような抽象画を制作しています。
今回は、大作と小品あわせて15点を展示しました。
下に塗った色も透けて見えるように、塗っては削り―を繰り返しているため、制作にはなかなか時間がかかるとのこと。しかし、そのために、コンピュータグラフィクスなどとは異なった、画面の厚みや、レイヤーの重なりが感じられます。
ただし、個人的には、1990年代から21世紀初めにかけての作品のほうが、色彩がクリアであり、近年はやや濁った感じになっていて、残念に感じていました。
しかし今回、久しぶりに個展でじっくり見ると、一見濁っているような彩度や明度の低い色調でも、よく見ると落ち着きがあり、これはこれでいいのかなという気もしてきました。
右は「アドバンス」。
これまでは青やピンクがメインだった永井さんが「オーカーなども使って作風に広がりを持たせたい」と取り組んだ作品です。
さまざまな色が浮かぶ画面は、じっくり見始めると視線をとらえて離しません。
出品作はほかに「華やぐ I」「華やぐ II」「REVOLVER」(冒頭画像の左)、「アドバンス」など。
個展は札幌時計台ギャラリーで、おおむね隔年で開いています。当然今回が、同ギャラリーでは最後になりますが、次回以降はまだ決めていないとのこと。
6月20日(月)~25日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
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