(承前)
白日会は日展系の団体公募展。絵画と彫刻があります。
この春、第100回の記念展を開きました。
近年はスーパーリアル系の画家が多く所属することで知られています。
回数を見ればわかりますが、北海道支部も長い歴史があります。
今回は、ベテラン会員の小堀清純さんと中矢勝善さんの特別企画展を行い、2人の作品を特陳していました。
冒頭画像は小堀さんの「雪の漁港」(2020)、「古潭岬」(2022)。
小堀さんは身の回りの静物を対象にしていましたが、勤めをやめて時間ができ、道内の風景を描くようになりました。
2点とも石狩市厚田の日本海側にある冬の漁港で、「雪の漁港」は厳寒期の濃昼港です。
右は「窓辺の静物」(1985)。
近くに住んでいた会員の川村正男さんのアトリエで描き、初出品した作品。佳作賞を得ていきなり会友に推挙されました。
中央は「枯花と金鶏」(1988)、左は「枯れ花」(同)。
会員になるまで年2枚出品していたので、大変だったそうです。
白日会は上野の都美術館から六本木の新国立美術館に会場を移す以前は、油彩は80号、水彩は60号と作品の上限が決まっていたとのこと。
ほかに「枯れ花」(2000)、「ランプのある静物」(2004)、「南瓜のある静物」(2013)。
小堀さんは道彩展会員でもあります。
中矢さんは乾いた筆で風景を描いていて、木々の描写などは写実の多い白日会でも異彩を放っています。
特陳は6点。
画像左は「日没」、中央は「緑陰(支笏湖)」。
ほかに「港町慕情」「早春の林道」「遅い春」「冬の雑木林」を出しています。
中矢さんは新道展会員でもあります。
特陳以外で目を引いたのは、上の画像の中央、仁木聖子さん「着物を楽しむ」(油彩、M80)。
今年の本展で見た記憶がないのですが、丹念に女性を描いています。
右端は、オホーツク管内湧別町の伊藤英二さんの水彩「湧別川(春光輝)」(F100)。
今年の出品作ではなく、昨年の協会賞(最高賞)に輝いた作品です。
添付画像では見ていましたが、本物を見たのは初めて。あらためて魅了されました。
一部を拡大すると、岸辺の木の枝にオジロワシがとまっているのが見えます。
細部まで筆をゆるがせにしていないことがわかります。
雪解けの季節、堤防で固められた都市の河川とは違う、北海道の悠々たる大河を描いています。色数を抑えていることが、むしろ感動を強めているようです。
このほかは、春の六本木で見た作品が多かったのですが、新国立美術館の本展に出しているのに今回は欠席している人が多いのがすこし残念でした。
それ以外の作品は次の通り。
小堀清純 青い扉(小樽運河)(P80) 牛乳缶とカボチャ(F10)
中矢勝善 雪積もる頃(F100) 雑木林(F10)
中村富志男 初頭の十勝平野朝景(F100) 日高山脈と十勝野のジャガ花(P20)
伊藤英二 知床連山と五湖(F10)
吉田亮子 時を経てなお(F100) 黄色いカーディガン(F15)
加藤貢 豊平館(F100) サクラの咲く頃(中島公園)(50.3×58.5) 紅葉の中島公園(F6)
大崎美和子 静かな時間(F100) これから(習作)(F8)
仁木聖子 みーさん(F6)
設楽征克 牧場遠景(F100) 新緑にいだかれて(P20)
浜地彩 青い時(F100) 希望の光(P50)
2024年7月24日(水)~28日(日)午前10時~午後5時
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
□白日会 https://www.hakujitsu.com/
過去の関連記事へのリンク
■白日会創立百周年記念展 (2024年3月21日~4月1日・六本木)
※以下の支部展は、画像なし
■第51回白日会北海道支部展(2017年5月31日~6月5日、札幌)と川村正男さんの遺作
■第50回記念白日会北海道支部展■小堀清純展―白日会出品作― (2016)
■第44回白日会北海道支部展
■第43回白日会北海道支部展
■第42回白日会北海道支部展(2008年)
■第41回
■第40回
■第37回(7月19日の項)
■第35回
■第24回グループ環 展(2024年6月、画像あり)=小堀さん出品
■第38回 道彩会会員会友展 (2019)
■第37回道彩会 会員・会友展 (2018、画像なし)
■第51回白日会北海道支部展(2017年、画像なし)
■第18回グループ環 展 (2017)
■第50回記念白日会北海道支部展■小堀清純展―白日会出品作― (2016、画像なし)
【告知】小堀清純 水彩小品展 (2011、画像なし)
■小堀清純個展(2004。画像なし)
第16回アトリエせせらき展 (2003。3月10、11日の項。画像なし)
■中矢勝善・市川雅朗ふたり展(2022)
■第63回新道展 (2018)
【速報】湧別の伊藤英二さんが白日賞を受賞 (2023)
「美術の窓」4月号に、湧別町の伊藤英二さんの水彩画が登場 (2020)
■伊藤英二水彩画展 (2019)
白日会は日展系の団体公募展。絵画と彫刻があります。
この春、第100回の記念展を開きました。
近年はスーパーリアル系の画家が多く所属することで知られています。
回数を見ればわかりますが、北海道支部も長い歴史があります。
今回は、ベテラン会員の小堀清純さんと中矢勝善さんの特別企画展を行い、2人の作品を特陳していました。
冒頭画像は小堀さんの「雪の漁港」(2020)、「古潭岬」(2022)。
小堀さんは身の回りの静物を対象にしていましたが、勤めをやめて時間ができ、道内の風景を描くようになりました。
2点とも石狩市厚田の日本海側にある冬の漁港で、「雪の漁港」は厳寒期の濃昼港です。
右は「窓辺の静物」(1985)。
近くに住んでいた会員の川村正男さんのアトリエで描き、初出品した作品。佳作賞を得ていきなり会友に推挙されました。
中央は「枯花と金鶏」(1988)、左は「枯れ花」(同)。
会員になるまで年2枚出品していたので、大変だったそうです。
白日会は上野の都美術館から六本木の新国立美術館に会場を移す以前は、油彩は80号、水彩は60号と作品の上限が決まっていたとのこと。
ほかに「枯れ花」(2000)、「ランプのある静物」(2004)、「南瓜のある静物」(2013)。
小堀さんは道彩展会員でもあります。
中矢さんは乾いた筆で風景を描いていて、木々の描写などは写実の多い白日会でも異彩を放っています。
特陳は6点。
画像左は「日没」、中央は「緑陰(支笏湖)」。
ほかに「港町慕情」「早春の林道」「遅い春」「冬の雑木林」を出しています。
中矢さんは新道展会員でもあります。
特陳以外で目を引いたのは、上の画像の中央、仁木聖子さん「着物を楽しむ」(油彩、M80)。
今年の本展で見た記憶がないのですが、丹念に女性を描いています。
右端は、オホーツク管内湧別町の伊藤英二さんの水彩「湧別川(春光輝)」(F100)。
今年の出品作ではなく、昨年の協会賞(最高賞)に輝いた作品です。
添付画像では見ていましたが、本物を見たのは初めて。あらためて魅了されました。
一部を拡大すると、岸辺の木の枝にオジロワシがとまっているのが見えます。
細部まで筆をゆるがせにしていないことがわかります。
雪解けの季節、堤防で固められた都市の河川とは違う、北海道の悠々たる大河を描いています。色数を抑えていることが、むしろ感動を強めているようです。
このほかは、春の六本木で見た作品が多かったのですが、新国立美術館の本展に出しているのに今回は欠席している人が多いのがすこし残念でした。
それ以外の作品は次の通り。
小堀清純 青い扉(小樽運河)(P80) 牛乳缶とカボチャ(F10)
中矢勝善 雪積もる頃(F100) 雑木林(F10)
中村富志男 初頭の十勝平野朝景(F100) 日高山脈と十勝野のジャガ花(P20)
伊藤英二 知床連山と五湖(F10)
吉田亮子 時を経てなお(F100) 黄色いカーディガン(F15)
加藤貢 豊平館(F100) サクラの咲く頃(中島公園)(50.3×58.5) 紅葉の中島公園(F6)
大崎美和子 静かな時間(F100) これから(習作)(F8)
仁木聖子 みーさん(F6)
設楽征克 牧場遠景(F100) 新緑にいだかれて(P20)
浜地彩 青い時(F100) 希望の光(P50)
2024年7月24日(水)~28日(日)午前10時~午後5時
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
□白日会 https://www.hakujitsu.com/
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■白日会創立百周年記念展 (2024年3月21日~4月1日・六本木)
※以下の支部展は、画像なし
■第51回白日会北海道支部展(2017年5月31日~6月5日、札幌)と川村正男さんの遺作
■第50回記念白日会北海道支部展■小堀清純展―白日会出品作― (2016)
■第44回白日会北海道支部展
■第43回白日会北海道支部展
■第42回白日会北海道支部展(2008年)
■第41回
■第40回
■第37回(7月19日の項)
■第35回
■第24回グループ環 展(2024年6月、画像あり)=小堀さん出品
■第38回 道彩会会員会友展 (2019)
■第37回道彩会 会員・会友展 (2018、画像なし)
■第51回白日会北海道支部展(2017年、画像なし)
■第18回グループ環 展 (2017)
■第50回記念白日会北海道支部展■小堀清純展―白日会出品作― (2016、画像なし)
【告知】小堀清純 水彩小品展 (2011、画像なし)
■小堀清純個展(2004。画像なし)
第16回アトリエせせらき展 (2003。3月10、11日の項。画像なし)
■中矢勝善・市川雅朗ふたり展(2022)
■第63回新道展 (2018)
【速報】湧別の伊藤英二さんが白日賞を受賞 (2023)
「美術の窓」4月号に、湧別町の伊藤英二さんの水彩画が登場 (2020)
■伊藤英二水彩画展 (2019)
(この項続く)