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■Metamoric Animal XI RED-あたたかな水色 (9月11日まで)

2007年09月11日 00時10分53秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 
 札幌の隣町、北広島の山本祐歳さんの個展。毎年1、2回はひらいています。

 動物を擬人化して彫った木彫と、それを撮影した写真とを、同時に展示することで、現実と虚が交錯する会場空間をつくる-というような解説を、毎度しているような気がするのですが、ここ1、2回は、木彫のバックが写真ではなく絵になっていることが多いようです。

 山本さんは旧作も展示するので、今回の個展でも、以前に制作したカモノハシの天文学者とか、犬のジャズミュージシャンとかがテーブルの上にいて、それらを雰囲気たっぷりに撮った写真も展示されています。でも、やっぱり目を引くのは新作ですね。
 冒頭の画像は「Interface 1 ~異なるものをつなぐ~ 準絶滅危惧種-ユキヒョウ」のアップです。
 じつは、山本さんの新作は、縦に細長く、背が高いのです。このユキヒョウも、130センチぐらいあります。

           

 作品の下部は、建築物をイメージしたものになっています。

 おなじシリーズの「2」は、「オカピ」です。
 こちらは、作品の基底部に、生け花のように植物が差し込んであります。もっとも、このへんは持ち主の自由のようです。

           

 オカピの首から下の部分も緑色に塗られており、植物と動物の合成体のようにも見えます。
「動物や植物の境界とか輪郭みたいなものをなるべくごちゃごちゃにしてみたかったんです」
と山本さん。

 もともと彫刻刀で少しずつ彫るのが山本さんの流儀でしたが、大作はなたを使って作られています。
 着彩は、これまでと同様アクリル絵の具です。

 バックの壁に貼られた絵は3点。
 「けぶる」「静慮」などです。
 キャンバスではなく生成の布に描いており、作者の意識下の世界のようなものを表現しているとのことです。

 このほか、芳名帳のところには、グレイハウンドがいたり、壁際にウサギやバクを彫った小品が立っていたり、今回も楽しい山本さんの個展でした。


07年9月7日(金)-11日(火)11:00-19:00(最終日-18:00)
アートスペース201(中央区南2西1、山口中央ビル 地図B

□サイト http://www10.plala.or.jp/metamor/index.html

Metamoric Animal X (06年)
metamoric animal XI wood carving “Tasting”&“BAZAR”


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