北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■斉藤嗣火個展(2022年12月26日~ 23年1月29日、札幌) 1月14日は11カ所(3)

2023年01月25日 11時11分20秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 おおむね月替わりで開かれている「ニューオータニイン札幌企画~北海道の画家を応援するプロジェクト~」。
 1月は、札幌の全道展会員で、1946年生まれ、武蔵美大卒。独立美術にも出品してきたので道外でもそれなりに知名度のある画家の斉藤嗣火(つぐほ)さんです。
 
 画風は、奥行き感を欠いた空間に、人物や鳥などを配したもの。
 適度な勢いと省筆があります。
 「人物」と欠きましたが、今回見て、人物というよりも彫刻だなと実感しました。この「域」(P15)のように、古代ギリシャのトルソーも描かれているのです。

 一方、「惑」(F30)は、頭を抱えてうずくまる人と、ひざを抱えて座り込む人が左右に描かれ、手前にアクセントのようにハトが配されています。

 斉藤嗣火さんは人間の情感めいたものをあまり筆先にこめるタイプではなく、均整の取れた人物像を描くという印象がありますが、悩める人をモチーフにすることもあるようです。

 また「域」(P30)や「惑」(P15)は裸婦3人ですが、いわゆる三美神という趣はあまりありません。
 
 これはもっと珍しいタイプの「ベレー帽の娘」(F10)。
 完全に横を向いた着衣の女性の肖像です。
 暗い背景と硬い表情が、モデルの人となりを想像させます。

 このほか「山ブドー」(M8)、「ミモザ」(F6)といった、植物を題材にした比較的明るい色調の絵もありました。

 他の出品作は次の通り。

立 (同題2点)

野苺
ドライフラワー

域 (同題4点)
鳥 (同題2点)
大作の為のエスキス


 「域」という題の絵は計5点もあり、なかなか説明が難しいのですが…。


2022年12月26日(月) ~ 23年1月29日(日) 午前10時~午後7時、会期中無休
ホテルニューオータニイン札幌地下(札幌市中央区北2西1)

過去の関連記事へのリンク
斉藤嗣火展 (2016)

櫂展 第9回(2014、画像なし)
第8回  ■続き(2012年)
第5回櫂展(2007)
第4回櫂展(2006)
グループ櫂展(2003、画像なし)

斉藤富男・斉藤嗣火二人展 (2003、画像なし)
斉藤嗣火個展(2002)



(この項続く) 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。