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坂坦道「寒い朝」(札幌市北区)

2020年06月05日 17時45分31秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 札幌北高のすぐ近くにある公務員住宅の中庭に設置されている、坂坦道の野外彫刻3点を紹介するシリーズの最終回。

 3点は、ほぼ南北に一直線にならんでおり、この「寒い朝」がいちばん南側、北大第2農場と北24条通りのそばにあります。

 「道東の女」がムード歌謡・演歌路線だったとすれば、こちら「寒い朝」はもっと端正な音楽を響かせているような感じを受けます(主観的で申し訳ないです)。


 ワンピースのような服。フードのついたコートでしょうか。
 両脚をそろえて、行儀よく腰掛けています。

 寒いので、両手を胸の前にあわせて、息を吹きかけているのか…と思いきや、女性の両手には小鳥が抱かれているようにも見えます。
 このあたり、造形がわりとラフな感じで、はっきりとしないのですが、明らかに見えているのは左手だけで、右手は鳥に隠れているようです。
 首が長いので、文鳥やスズメなどではなく、ハクチョウの子どもか何かなのでしょうか。

 女性はややうつむいて、表情はやや伏し目がちです。

 斜め後ろから見ると、女性は背中を少し丸めていて、背で寒さを訴えているようにも見えます。

 ここの3点の中では、いちばん北海道の風土に添った表現がなされているように感じられました。
 なお、団地内にあるのは作品と銘板だけで、設置のいきさつや作者の略歴、ひとことなどを記した解説板などは見当たりませんでした。


 以上で、幌北住宅にある坂坦道作品の紹介は終わります。

 比較的近くに、かつて札幌飛行場があったことを示す記念のモニュメントが設置されています。
 それも坂坦道さんの作品ですので、次項で紹介します。




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参考
□坂家三代の芸術家 http://saka-tandou.com/index.html






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