北海道美術ネット別館

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祝。札幌市電ループ化(環状線化)

2015年12月26日 01時01分01秒 | つれづれ日録
 「ループ化」というのは、札幌独特の用語で、一般的には「環状線化」といったほうがわかりやすいと思う。

 1970年代初頭までは、札幌にもたくさんの路面電車(市電)の路線があった。
 しかし、自動車交通の妨げになるという理由で、全国の多くの都市で路面電車は廃止されていった。札幌でも、地下鉄の開通と軌を一つにして、多くの路線がなくなり、地下鉄と平行しない「西4丁目-西15丁目-中央図書館前-すすきの」の系統だけが残った。
 じつは、西4丁目-すすきのの間は、札幌の中心街を貫く目抜き通りで、0.4キロほどしかない。
 ここをつなげれば、利便性が向上するのは明らかで、このたびようやく、ふたたび市電の路線が敷かれることになったのだ。

 12月20日、開通初日
 筆者は

西8丁目→西4丁目→狸小路(新設電停)→すすきの→資生館小学校前→東本願寺前→山鼻9条

の区間を乗車した。




 ことしの雪ミク電車。

 12月19日までは、行き先表示は「西4丁目→すすきの」だった。
 これが、「内回り 循環」「外回り 循環」という表示になった。

 もっとも、山手線に乗りなれている首都圏の人と違って、札幌の人には「内回り」「外回り」という言葉はなじみがないようで、「わかりづらい」という声も聞く。
 かといって、これよりもわかりやすい表示があるかどうかと思う。




 西4丁目を出て、狸小路電停へ向かう市電の、最後部から撮った画像。

 市電の線路は道路中央に設けられていたが、このたび開通した区間は、歩道に沿って敷かれているのが目新しい。

 これについて
「すぐに乗れて便利!」
と誰かが言っていたが、反対側に行く電車に乗りたいときは、道路を渡らなくてはならないわけで、トータルで距離は変わらないと思う(笑)。

 また、この区間は、ササラ電車による雪はねは行わず、ロードヒーティングになっているという。
 ただ、道路の雪は、道路と線路帯の間におかれるわけで、ただでさえ1車線ぶん狭くなった道路幅を、雪がさらに狭くしているような印象を受けた。

 さらに、今回の敷設は、タクシー業界には非常に不評なのだが(客待ちができなくなるからね)、いちばんの稼ぎ時である深夜帯は、路面電車は気にしなくてもよいであろうから、致命的な打撃にはならないんじゃないだろうかと推測したい。



 新設の駅前通から、既設の南4条通、すすきの電停へとカーブ。
 これも、目新しい光景。


 次の画像は、東本願寺前附近。
 NHKテレビ「ブラタモリ」でも有名になった、碁盤の目と思われている札幌市街地の街路のゆがみが、南7条附近ではっきりと見える。

 北海道開拓使による中心部の区画と、屯田兵による山鼻地区の区画がずれているので、道路が斜めになっている。









(手を振るエビ氏、ウリュウ氏。しかし逆光で、よく見えない…)



 最後に、北海道美術ネット別館らしい話をしたい。

 今回の市電の環状線化で、いちばん行きやすくなるギャラリーは、ずばり「ギャラリー創」だと思う。

 これまで、中心部からギャラリー創へ行くときは、南北線の中島公園駅でおりるのが一般的だった。

 今後は、西4丁目や狸小路から市電に乗って山鼻9条で降りる、というルートを使えば、ばっちりだ。
 そして、ト・オン・カフェやBILONGO、文学館、鴨々堂などに寄って、中島公園駅から地下鉄に乗れば、乗り継ぎ割引が適用になる(もちろん、逆の道順も可)ので、都心から290円で往復できることになる。

 また、ギャラリー創から、市資料館やnecco、コンチネンタルギャラリーといった「中央区役所前」附近の会場にも、乗り換えなしで行けるようになる。
(内回りであれば、市資料館は「中央区役所前」よりも「西15丁目」のほうがわずかに近い)

 ギャラリーミヤシタも「西線6条」から徒歩圏内であり、市電の使い道はけっこう広いのである。


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