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■第46回道都大学中島ゼミ展「版と型をめぐって」 (12月20日まで)

2009年12月18日 23時15分34秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 年末恒例、道都大学中島ゼミ展です。

 このブログの読者にはおなじみだと思いますが、会場で偶然お会いした画家の方から
「道内は教育大と大谷しか芸術系の大学はないと思っていた。こんなにすごい活動をしているんですね」
と称賛のことばを聞きました。
 学生、院生だけでなく、卒業生も出品しているのが、このゼミ展の特徴。ただし、いま活動中のOBがみなさん作品を出しているわけではありません。

 出品作が多いので、シルクスクリーン版画作品と染色のエントリ2本に分けて紹介します。

 冒頭の画像で左側にならんでいるのは、卒業生で、国際版画ビエンナーレでグランプリを受賞したこともある関口修平さんの作品。
 サイズが大きいのは「一心同体」「一心同体2」、小品は「光」「輪」「光2」。
 傾いた直線を微妙に重ね合わせていく作風は、写真に撮ると、モアレ発生必至ですので、ごらんになったことのない方はぜひ実物に接してください。
(下のリンク先では、ヤナイもけっこう奮闘して撮影してますが)

 右の4点は堀成美さん「soft opition」など。
 今回も、女性の顔をモティーフにした簡素な画面です。
 「キャタピラちゃん」は、版画とは思えない、厚塗りの油彩のようなマティエールが特徴です。

 


 宮口拓也さんは東京藝大に進んだはずですが、卒業されたのでしょうか。
 ガラスが反射して拙い写真になっていますが、左側の「リペア!リペア!リペア!」など、きらきら光る画材を使っているようです。

 その奥は来春卒業する石井誠さん。
 「氷の記録」「BUTOH」など新作をふくむ6点をならべています。紙版画を併用し、方眼紙のような模様を重ねる画風の作もあります。前回の個展でくわしく紹介したので、今回はかんたんに。




 右側は、中村理紗さん「あかくなる」「遠くても」など。
 近年、キャラクターっぽい作品の多くなっている中島ゼミですが、数年前まではシャープな抽象が主流だったような印象があります。中村さんは、その系譜に位置づけられると思います。画面に登場する要素は少ないですが、切れ味のある画面構成です。

 その奥は小田祐輔さん「とりビル」など。
 タランティーノとはまったくちがう、丸っこいイラスト調の画風です。


 


 左の画像。
 手前に見えているのは松本直也さん。
 画像には入っていませんが、「煙に巻かれて」では、煙突からはきだされる煙がモザイク処理されているようなのがおもしろいです。題も不思議。別に、まかれているわけではありません。

 その隣は、増井和人さん「いき」など。だるまなど、日本的な意匠が、独自に解釈され、余白の多い画面に広がっている作です。

 奥の壁は、大泉力也さんで、平面インスタレーション的な展開を見せています。

 右側の画像は、橋口潤平さん「これじゃ楽隊だか何だかわかりゃしませんよあんたたち」。
 ほかにも作品はありますが、これだけ題が長いです。ペンのタッチを残したイラストは、なかなか達者で、色とおもしろい融合をしています。
 



 奥は八鍬淳二さん「夜の帳」。
 黒を主体に、すっきりした画面。
 手前は、ひさしぶりにJAMANIさん「サーカスへ行こう」。
 めずらしく木版で、昭和レトロなにぎやかさたっぷりです。




 マスク男が画面から飛び出し、人形になって壁面や床にあふれているのは、松浦進さん「Business Mask」。
 今回も展示されている「all face」=写真手前=の登場人物の発展系といったところでしょうか。
 顔をすっぽり覆ったマスクは、ビジネスというよりプロレスラーを思い出させますが、顔つきはちっとも強そうではありません。




 左は住吉直道さん「怒られてもめげないムー」。
 画材はアクリル・コラージュと明記されていますが、発泡スチロールを女性の形に切り抜いたものをボードにはりつけています。なんだか強烈な印象です。

 右手前は、阿部真大さん「motsu」。
 パネル3枚を横にならべた大作で、輪郭線をはっきり描き、にょろにょろと曲線をひしめかせた独自のスタイルです。このやわらかい曲線の多用は「彼岸花」などにも共通しています。


この項続く

2009年12月15日(火)~20日(日)月曜休み(祝日は開館) 
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)




関聨ファイルへのリンク

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道都大学中島ゼミ 共振展(2008年4月)

関谷さんが第1回NBC国際シルクスクリーン版画ビエンナーレでグランプリ(07年11月)
関谷修平個展(06年)

堀成美個展 (2009年3月)

500m美術館(2008年)=石井、大泉、松本さん出品

□under hippos.(石井さんのサイト) http://members.jcom.home.ne.jp/3716975201/
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国画会版画部北海道支部展(2008年7月)
500m美術館「まぼろし遊園・2」(2007年)
第5回学生STEP-なんでもアリの学生アート展(2007年)
第3回茶廊法邑ギャラリー大賞展(2007年)
House展 華やかな作家たち(2007年)
学生STEP主催 卒業展(2007年)
第4回学生STEP(2006年)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
エントリありがとうございました (石井誠)
2009-12-19 10:29:20
師走のご多忙の中、エントリ掲載ありがとうございました!
またエントリを見てお越しくださる方々も多いと思います。

今回は現役2,3生がそれぞれ自分なりに面白い展示方法で発表した展示になったと思いました。
負けぬ様に、4年生も卒業制作展に向けて全員新作を頑張っていきたいと思います。

また年明けから夏にかけて、犬養さんや関谷さん、森迫さんがそれぞれ個展準備をしています。

まだ早いとは思いますが、来年もよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。
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石井さん、ありがとう! (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-12-19 23:30:04
こちらこそ、どうも。
年明け早々、北都館での個展、そして卒展だねー。たいへんだけど、ムリできるのも学生のうちなので、体を壊さない程度に頑張ってください。
石井さんの学生生活はけっこうサイコーな部類に充実していたように見えます。ほんとにいろいろありがとう!
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