「絵画の場合」、3度目の展覧会。
過去2回は「北方圏学術情報センター ポルトギャラリー」でひらきましたが、今回は小品展のおもむきです。
またことし秋に「ポルト」で展覧会をひらく予定であり、今回はまあ、間奏曲みたいなものだと思います。
作品のタイトルとは別に、各自がいま気になっている「キーワード」を掲げ(案内状のはがきにも印刷してあります)、ことばとの関係もふくめて作品を鑑賞してもらえれば、というねらいが感じ取れます。
また子どもじみた感想ですいませんが、さすがに「絵画の可能性を考える」グループだけに、一般的な絵画の範疇にはおさまりきれない作品が多いですね。
冒頭の画像は、林亨さん「眼を閉じて」です。
キーワードは「たをやかさのかたち」。
ほかの作品とは反対側の壁に3点が掛かっています。書架にとりかこまれている格好です。
大井敏恭さん「螺旋 9/06」。
キーワードは「Visual Thought Experiment」。
色や線ではなく、マティエールで形状がかかれています。
八子直子さん「かがみのにやみや」。
キーワードは「あら、不思議。-認識の差異」。
壁にとりつけられているのは、題のとおり鏡で、そこから空中につりさげられている物体が、絵画といえばいえなくもないのですが…。
これまでの八子さんとはことなるタイプの作品です。
レスリー・タナヒルさん「Language is Process #2」。
キーワードは「making up in my mind」。
観念が生成しようとしている脳のなかの解剖図みたいな絵です。
渋谷俊彦さん「Twist」。
キーワードは「気配」。
絵の具の飛沫が全面に散っているのはいつもとおなじですが、題のとおり、支持体がひねってあります。
床に置かれた台の上にのっています。
田畑卓也さん「№45」。
キーワードは「マゼンダ・あるいは微細なもの」。
筆者には、マゼンダよりも、外枠のアルミの質感が印象的でした。
小林麻美さん「昨日の私」。
キーワードは「装飾的な視界 発色と想起」。
大小8点から成ります。キャンバスが5点、紙が3点というくみあわせ。
網膜の残像を連想させる茫漠とした風景です。表面で、はじかれている絵の具が、気になります。
安藤文絵さん「A line」は参加型作品。
「この紙に、供え付けのペンを使用して、あなたの一番大切な人を思いながら一本線を引いて下さい。」
とあります。
ちなみに、キーワードは「吐き出される吐息、紡がれる線」。
絵画は(あるいは人間の認識は)一本の線から始まるのですね。
いちばん奥の壁に貼ってあるのが谷口明志さん「線」。
キーワードは「絵画と空間の関係性は?」。
谷口さんの作品は、「地」の部分がなく、「図」が支持体の形状と一致しています。
今回は、壁に作品が埋没してしまう事態を回避しようとしたのか、ところどころ、作品が壁から浮き上がって取り付けてあるようです。
筆者も1メンバーとして「絵画の場合」に名を連ねていますが、こんどの出品作そのものについては、まだほとんど話を聞いていません。
こんご、出品者に顔をあわせれば、あるいはテキストを書き換えたり、追記したりすることがあるかもしれません。
1月9日(火)-20日(土) 10:00-19:00(13日は-18:00、最終日-17:00)。14日休み
札幌アリアンス・フランセーズ・ギャラリー(中央区南2西5、南2西5ビル2階 地図B)
■05年の詳報
■今回の展覧会のおしらせ
過去2回は「北方圏学術情報センター ポルトギャラリー」でひらきましたが、今回は小品展のおもむきです。
またことし秋に「ポルト」で展覧会をひらく予定であり、今回はまあ、間奏曲みたいなものだと思います。
作品のタイトルとは別に、各自がいま気になっている「キーワード」を掲げ(案内状のはがきにも印刷してあります)、ことばとの関係もふくめて作品を鑑賞してもらえれば、というねらいが感じ取れます。
また子どもじみた感想ですいませんが、さすがに「絵画の可能性を考える」グループだけに、一般的な絵画の範疇にはおさまりきれない作品が多いですね。
冒頭の画像は、林亨さん「眼を閉じて」です。
キーワードは「たをやかさのかたち」。
ほかの作品とは反対側の壁に3点が掛かっています。書架にとりかこまれている格好です。
大井敏恭さん「螺旋 9/06」。
キーワードは「Visual Thought Experiment」。
色や線ではなく、マティエールで形状がかかれています。
八子直子さん「かがみの
キーワードは「あら、不思議。-認識の差異」。
壁にとりつけられているのは、題のとおり鏡で、そこから空中につりさげられている物体が、絵画といえばいえなくもないのですが…。
これまでの八子さんとはことなるタイプの作品です。
レスリー・タナヒルさん「Language is Process #2」。
キーワードは「making up in my mind」。
観念が生成しようとしている脳のなかの解剖図みたいな絵です。
渋谷俊彦さん「Twist」。
キーワードは「気配」。
絵の具の飛沫が全面に散っているのはいつもとおなじですが、題のとおり、支持体がひねってあります。
床に置かれた台の上にのっています。
田畑卓也さん「№45」。
キーワードは「マゼンダ・あるいは微細なもの」。
筆者には、マゼンダよりも、外枠のアルミの質感が印象的でした。
小林麻美さん「昨日の私」。
キーワードは「装飾的な視界 発色と想起」。
大小8点から成ります。キャンバスが5点、紙が3点というくみあわせ。
網膜の残像を連想させる茫漠とした風景です。表面で、はじかれている絵の具が、気になります。
安藤文絵さん「A line」は参加型作品。
「この紙に、供え付けのペンを使用して、あなたの一番大切な人を思いながら一本線を引いて下さい。」
とあります。
ちなみに、キーワードは「吐き出される吐息、紡がれる線」。
絵画は(あるいは人間の認識は)一本の線から始まるのですね。
いちばん奥の壁に貼ってあるのが谷口明志さん「線」。
キーワードは「絵画と空間の関係性は?」。
谷口さんの作品は、「地」の部分がなく、「図」が支持体の形状と一致しています。
今回は、壁に作品が埋没してしまう事態を回避しようとしたのか、ところどころ、作品が壁から浮き上がって取り付けてあるようです。
筆者も1メンバーとして「絵画の場合」に名を連ねていますが、こんどの出品作そのものについては、まだほとんど話を聞いていません。
こんご、出品者に顔をあわせれば、あるいはテキストを書き換えたり、追記したりすることがあるかもしれません。
1月9日(火)-20日(土) 10:00-19:00(13日は-18:00、最終日-17:00)。14日休み
札幌アリアンス・フランセーズ・ギャラリー(中央区南2西5、南2西5ビル2階 地図B)
■05年の詳報
■今回の展覧会のおしらせ
何か物語を想像してしまう雰囲気を醸し出しているように感じられたのが「昨日の私」という作品でした。家の一角にこのようなコーナーがあったら毎日が楽しくなるだろうなあと思いました。
なぜか、小さな空間では細やかな部分に目が惹かれ興味深く拝見しました。
心に思い描いたものを現すということにおいては、ジャンルは関係ないのかもしれませんね。表現方法は違っても、何かを伝えようとする心意気はジャンルや時代を超えて現在も私たちを動かしているのかもしれませんね。
疲れやすくなった頭の中で、ふとそんなことを作品を見ながら
思いました。
「昨日の私」を描いた小林麻美です、はじめまして。
感想ありがとうございます。「昨日の私」は、家からそう離れていない近所の風景です。防風林とか、公園とか、フェンス越しに、枝越しに。降る雪越しにみた景色を描きました。 目眩がするような一瞬の体感を絵にしたいと思っています。
どこかでお会いできたら良いですね。
書き込みありがとうございました。
筆者は今回、あまりたいしたことをエントリに書いていないので、みなさんが思ったことをコメントしていただけると、うれしいです。
そうですね。秋にはなにかしでかしたいものですね。