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■第7回 千展 (4月1日まで)

2007年03月30日 04時25分57秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 全道展会員の画家水野スミ子さん(札幌)の教室展ですが、その圧倒的なパワーには毎年驚かされます。
 メンバーは40-50代の女性。
 100-200号がめじろ押しで、廃品・不用品を大胆にコラージュした作品がならびます。
 この展覧会はぜひ若い人に見てもらいたい。
 とりわけ、チマチマしたものをこしらえている人は、びっくりするんじゃないかと思います。

 今回は、水野さんと赤石操さん、大槻初恵さん、佐藤徳子さん、真田由美子さん、伝法常子さん、吉村千加子さんの7人が出品しています。

 冒頭の画像は水野さん。
 もともと激しいタッチで頭骨などを描いていましたが、とうとうモティーフがなくなり抽象になってしまいました。
 白を基調にしているのは、生徒さんたちが有彩色の作品を多く出しそうなのを見て、会場の全体的な雰囲気を考えてのことだそうです。
 紙と紙の間にひもを挟み、フロッタージュのような効果を出しています。
 指紋のような文様は、公園にある、枝のまるい断面を敷き詰めた遊歩道をこすったものです。

         
 今回、大車輪の活躍の赤石さんの作品です。
 (言い忘れてましたが、今回のグループ展の作品は、大半に題はついていません)
 色とりどりの線は、古い服や布をより合わせたもの。
 ものすごい量の布です。

         
 赤石さんにはこんな作品もあります。
 これも布を、枠にはり渡しています。
 支持体がないので、向こう側の壁が見える、斬新な作品です。

         
 真田さんの作品。
 これも、端っこのほうは、向こう側の壁が見えています。
 くぎを打った木片や、ススキをたくさんはりつけており、ワイルドな感じが漂います。
 真田さんは、キャンバスにガーゼを貼り、その上に木の輪を貼り付けた作品もあります。

         
 佐藤さんは、キャンバスが台形の作品がありました。
 青を主に、激しいタッチ。段ボールもコラージュしているようです。

         
 右側は吉村さんの大作。
 今回も吉村さんは10点と、大量出品しています。
 レモンイエローの太い筆を走らせたように見えるのは、じつはタオルに絵の具をつけた跡。キャンバスにバシバシとたたきつけたのではないかと思ったら、意外とふわっと置いているそうです。弱く置くほど、薄い色になり、下地が透けるおもしろい効果をあげています。
 左下の立体は、伝法さんの作品。

         
 大槻さんの作品も型破り。
 ダンボールで変形の支持体をつくり、その上に不定形に切った発泡スチロール片を重ねて貼った、半立体の作品です。
 この3点のうち1点は、発泡スチロール部分が1ヵ所でとめてあるので、時計の針みたいにぐるぐる回ります。

         
 最後は伝法さんです。
 この画像にはないのですが、左側に、おびただしい梨を描いた水彩画があり、それと同様の絵に描かれた梨を1個ずつ切って、コラージュしたのが、画像の作品です。
 上空から見た流氷原にも、吹き集まった紅葉にも見えます。
 ふつうに丸いかたちに紙を切って、貼ればいいんじゃないかと思うのですが、自然のかたちを流用するのがミソなのでしょう。


 それにしても、ことしも圧倒されました。
 小さくまとまった完成度を求めるのではなく、身体を使って、おもしろいと感じたことに挑戦する姿勢を感じます。

 水野さんは
「搬入に1日かかりました。ここのギャラリーは搬入に時間がかけられるのでありがたい。会場で作る作品もけっこうあるし」
と話していました。 


3月27日(火)-4月1日(日)10:00-19:00
ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、大五ビル 地図A

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