(承前)
毎年5月中・下旬になると、美しいピンク色の花が斜面を覆い尽くす観光名所「芝ざくら滝上公園」の一角に、札幌出身の有名な彫刻家、本郷新の手になる胸像が立っていることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
裏面に、略歴が刻まれています。
戦後の文章なので読みづらくて解釈に悩むところはありません。
もっとも、この文章は、格調は高いですが、あまり具体的とはいえません。
この公園はもともとエゾヤマザクラの名所でした。旧国鉄渚滑線に花見客用の臨時列車が走ったこともあったそうです。
ところが1954年、北海道中の木々を強風でなぎ倒した「洞爺丸颱風」の直撃を受け、桜の木が壊滅的な被害を受けます。
当時の観光協会長が、本物の桜よりもシバザクラのほうが花の期間が長い―と、町内の寺から株分けしてもらった「ミカン箱一つ分の苗」を57年に公園内に植えたのが、名所の始まりです。
59年に町長に当選した朝倉さんはシバザクラ観光を政策に据えて、日本一の面積を目指そうと町民に呼びかけました。
シバザクラは年々面積を広げ、90年には10ヘクタールにまでなりました。
今は、同じオホーツク管内の大空町東藻琴と人気を二分するシバザクラの名所になっています。
朝倉元町長の像が、役場の前などではなく芝ざくら滝上公園にあるのは、ちゃんと意味があるのです。
眼窩(目のくぼみ)やきりっと引き締まった口元の表現をさすがと感じてしまうのは、あらかじめ本郷新の作品と知って、見るからでしょうか。
裏面に本郷のサインも確認できました。
過去の関連記事へのリンク(本郷新の野外彫刻など)
本郷新「緑の環」ふたたび 苫小牧の野外彫刻(19)
本郷新「無辜の民」をもう一度見に来た(2020)
■本郷新と「無辜の民」(2019~20)
■彫刻家・本郷新の見た「異国」
長万部の野外彫刻
本郷新「相武吉治郎翁」 苫小牧の野外彫刻(4)
本郷新「緑の環」 苫小牧の野外彫刻(3)
本郷新「勇払千人同心」 苫小牧の野外彫刻(2)
本郷新「鳥の碑」(石狩)
彫刻倒れ職員けが 本郷新記念札幌彫刻美術館
本郷新「無辜の民」ー石狩・厚田アートの旅(2)
嵐の中の母子像
「マッサン」と、札幌・大通公園の彫刻「泉」の深い関係
本郷新「オホーツクの塔」
網走新聞のシリーズ記事「まちの彫刻」
札幌から函館への旅・続き=JR室蘭線の錦岡―社台間の車窓から見える「緑の環」
魚の彫刻を正面から見るとヘンな顔になっている件について
本郷新「三輪龍揚像」「小林篤一像」
本郷新「オホーツク海」
宮の森緑地で
■札幌第二中学の絆展 本郷新・山内壮夫・佐藤忠良・本田明二 (2009、画像なし)
■独創性への道標-ロダン・高村光太郎・本郷新展(2009年、画像なし)
札幌市西区・宮の森緑地(Miyanomori-greenhill,Sapporo)
本郷新「石川啄木像」 釧路の野外彫刻(11)
本郷新「釧路の朝」 釧路の野外彫刻(9)
本郷新「道東の四季 冬」 釧路の野外彫刻(6)
南部忠平顕彰碑
「北の母子像」本郷新
札幌・宮の森緑地 (鳥を抱く女、太陽の母子)
網走の野外彫刻
本郷新「奏でる乙女」
https://goo.gl/maps/gm6hkud7X9NDrcEr7
毎年5月中・下旬になると、美しいピンク色の花が斜面を覆い尽くす観光名所「芝ざくら滝上公園」の一角に、札幌出身の有名な彫刻家、本郷新の手になる胸像が立っていることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
裏面に、略歴が刻まれています。
戦後の文章なので読みづらくて解釈に悩むところはありません。
彰 徳
翁は明治四十一年弱冠十九才にして高知県より
本町に来住開拓に従事す。後村会議員に推され
爾来町議会、道議会議員を経て昭和四十三年町
長に就任三期十二年に亘り重責を果たし勇退を
機に滝上町名誉町民の称号を贈らる。この間地
方自治功労者として藍綬褒章、勲四等瑞宝章を
受く。町発展に貢献せる処大なり。仍って胸像
を建立し功業を讃え後世に伝う。
昭和四十七年五月
滝 上 町
製作 本郷 新
もっとも、この文章は、格調は高いですが、あまり具体的とはいえません。
この公園はもともとエゾヤマザクラの名所でした。旧国鉄渚滑線に花見客用の臨時列車が走ったこともあったそうです。
ところが1954年、北海道中の木々を強風でなぎ倒した「洞爺丸颱風」の直撃を受け、桜の木が壊滅的な被害を受けます。
当時の観光協会長が、本物の桜よりもシバザクラのほうが花の期間が長い―と、町内の寺から株分けしてもらった「ミカン箱一つ分の苗」を57年に公園内に植えたのが、名所の始まりです。
59年に町長に当選した朝倉さんはシバザクラ観光を政策に据えて、日本一の面積を目指そうと町民に呼びかけました。
シバザクラは年々面積を広げ、90年には10ヘクタールにまでなりました。
今は、同じオホーツク管内の大空町東藻琴と人気を二分するシバザクラの名所になっています。
朝倉元町長の像が、役場の前などではなく芝ざくら滝上公園にあるのは、ちゃんと意味があるのです。
眼窩(目のくぼみ)やきりっと引き締まった口元の表現をさすがと感じてしまうのは、あらかじめ本郷新の作品と知って、見るからでしょうか。
裏面に本郷のサインも確認できました。
過去の関連記事へのリンク(本郷新の野外彫刻など)
本郷新「緑の環」ふたたび 苫小牧の野外彫刻(19)
本郷新「無辜の民」をもう一度見に来た(2020)
■本郷新と「無辜の民」(2019~20)
■彫刻家・本郷新の見た「異国」
長万部の野外彫刻
本郷新「相武吉治郎翁」 苫小牧の野外彫刻(4)
本郷新「緑の環」 苫小牧の野外彫刻(3)
本郷新「勇払千人同心」 苫小牧の野外彫刻(2)
本郷新「鳥の碑」(石狩)
彫刻倒れ職員けが 本郷新記念札幌彫刻美術館
本郷新「無辜の民」ー石狩・厚田アートの旅(2)
嵐の中の母子像
「マッサン」と、札幌・大通公園の彫刻「泉」の深い関係
本郷新「オホーツクの塔」
網走新聞のシリーズ記事「まちの彫刻」
札幌から函館への旅・続き=JR室蘭線の錦岡―社台間の車窓から見える「緑の環」
魚の彫刻を正面から見るとヘンな顔になっている件について
本郷新「三輪龍揚像」「小林篤一像」
本郷新「オホーツク海」
宮の森緑地で
■札幌第二中学の絆展 本郷新・山内壮夫・佐藤忠良・本田明二 (2009、画像なし)
■独創性への道標-ロダン・高村光太郎・本郷新展(2009年、画像なし)
札幌市西区・宮の森緑地(Miyanomori-greenhill,Sapporo)
本郷新「石川啄木像」 釧路の野外彫刻(11)
本郷新「釧路の朝」 釧路の野外彫刻(9)
本郷新「道東の四季 冬」 釧路の野外彫刻(6)
南部忠平顕彰碑
「北の母子像」本郷新
札幌・宮の森緑地 (鳥を抱く女、太陽の母子)
網走の野外彫刻
本郷新「奏でる乙女」
https://goo.gl/maps/gm6hkud7X9NDrcEr7
(この項続く)