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(会場写真は会期終了後アップします)
心象風景的な独特の写真作品を手がける置田貴代美さん(札幌在住)。
熱心に制作・発表を続けていますが、個展は久しぶりです。
今回の個展にあたって書いた文章を、以下に引きます。
置田さんはもともと気象や天文など理科が好きで、美しい星景写真などを撮影していました。それから、心の中を明かすような、独自の心象写真ともいうべき作風で、見る人に深い印象を刻んできました。
今回の個展は、いつになくストレートな風景写真です。14点はすべてモノクロ、横位置の写真。
加工したものも、わざとピンを甘くしたものもありません。複数のプリントを組み合わせて展示したものもありません。
ただただ、広漠とした風景が広がっています。
「これも心象風景といえば、いえるんですけどね」
画面に見えるのは、湿原や草原、原始のままの河川、そして空。
地平線は画面の中央。
人間を含め動物はいっさい写っていません。建物もひとつもありません。
北海道北部の海岸の風景の特徴として、つぎの2点が挙げられるでしょう。
・高い山がない
・木が少ない
とくに冬場の強い風のために、木が伸びることができず、草が中心の植生になっている場合が多いようです。
浜頓別のある宗谷地方をはじめ、留萌やオホーツクなども、海沿いには木が少ないです。
人のいない風景なら、北海道のどこにでもありますが、山も木もなく、人の手が加わった痕跡がこれほどまでにインサートしてこない場所は、そうあちこちにはないでしょう。
「最果て」感が、非常に強く感じられる作品です。
だから、これらの写真を見て、みんながみんな「懐かしい」といえるかどうかは、わかりません
撮影地となっているベニヤ原生花園のあたりは、置田さんが高校時代まで犬の散歩などで日常的に立ち寄っていたところです。
こういうなにもない風景も、置田さんにとっては途方もなく故郷の原風景なのでしょう。
柄谷行人を引くまでもなく、近代の表現において、風景とは自己の反映です。
人は、風景に自分自身を見るのです。
生まれ故郷の風景を撮ればそれが自己表現になるというのは、石川啄木的な単純なノスタルジアともちょっと違うような気もします。
ただ、あまりにバリエーションの少ない風景なので、たぶん、置田さんは、「次」を目指して早晩歩きださなくてはならないだろうと予想します。
それがどんな方角なのか。
気になっています。
2012年11月14日~12月2日(日)正午~7pm(最終日~5pm)、月曜休み
ギャラリーミヤシタ(札幌市中央区南5西20)
□Kiyomi Okita: http://home.att.ne.jp/omega/hiyo4/
■東川フォトフェスタ ストリートギャラリー (2009年)
■PHOTOGRAPHY EXHIBITION MOVE 2(2009年)
■光を編む この言葉に触発された13名の作家達が織りなす世界(2008年)
東川町フォト・フェスタに行ってきた(1)-ストリートギャラリー(2008年)
■ARTIST WEEK vol.1 "air" (2008年)
■MOVE(2008年)
■Life 置田貴代美写真展 (2007年)
■OPERA Exhibition vol.2 (2007年)
■置田貴代美写真展「ISHIKI-意識」(06年11月)
■東川町フォトフェスタ(06年7月)
※以下、画像なし
■個展「空の叙事詩」(05年)
茶房森彦で見た置田貴代美さんの写真展の回想
置田貴代美写真展 キヨミのそら-空の表情(2004年)
・地下鉄東西線「西18丁目」駅から約690メートル、徒歩9分
・市電「西15丁目」から約1060メートル、徒歩14分
・ジェイアール北海道バス「53 啓明線」(JR札幌駅、大通西4-西11丁目駅-啓明ターミナル)で「南3条西20丁目」降車、約330メートル、徒歩5分。
・ジェイアール北海道バス「54 北5条線」(JR札幌駅発)に乗り終点「長生園前」で降車、約710メートル、徒歩9分
・東西線「円山公園」からジェイアール北海道バス「円10」「円11」「桑11」「円13」に乗り継ぎ「南6条西25丁目」降車、約540メートル、徒歩7分
心象風景的な独特の写真作品を手がける置田貴代美さん(札幌在住)。
熱心に制作・発表を続けていますが、個展は久しぶりです。
今回の個展にあたって書いた文章を、以下に引きます。
5年ほど前から生まれ育った町(道北・浜頓別町)の風景を撮るようになった。高校生の頃まで、いろいろな思いをかかえて見ていた湿原の景色は、原風景として心の中に存在し、湿原そのものは当時とほとんど変わらない姿で今も存在している。この原風景となった景色の中で、当時の自分が何を視ようとしていたのか、そして今の自分が何を視ようとしているのか。それはよくわからないが同じ物であるような気がして、今も撮影を続けている。
置田さんはもともと気象や天文など理科が好きで、美しい星景写真などを撮影していました。それから、心の中を明かすような、独自の心象写真ともいうべき作風で、見る人に深い印象を刻んできました。
今回の個展は、いつになくストレートな風景写真です。14点はすべてモノクロ、横位置の写真。
加工したものも、わざとピンを甘くしたものもありません。複数のプリントを組み合わせて展示したものもありません。
ただただ、広漠とした風景が広がっています。
「これも心象風景といえば、いえるんですけどね」
画面に見えるのは、湿原や草原、原始のままの河川、そして空。
地平線は画面の中央。
人間を含め動物はいっさい写っていません。建物もひとつもありません。
北海道北部の海岸の風景の特徴として、つぎの2点が挙げられるでしょう。
・高い山がない
・木が少ない
とくに冬場の強い風のために、木が伸びることができず、草が中心の植生になっている場合が多いようです。
浜頓別のある宗谷地方をはじめ、留萌やオホーツクなども、海沿いには木が少ないです。
人のいない風景なら、北海道のどこにでもありますが、山も木もなく、人の手が加わった痕跡がこれほどまでにインサートしてこない場所は、そうあちこちにはないでしょう。
「最果て」感が、非常に強く感じられる作品です。
だから、これらの写真を見て、みんながみんな「懐かしい」といえるかどうかは、わかりません
撮影地となっているベニヤ原生花園のあたりは、置田さんが高校時代まで犬の散歩などで日常的に立ち寄っていたところです。
こういうなにもない風景も、置田さんにとっては途方もなく故郷の原風景なのでしょう。
柄谷行人を引くまでもなく、近代の表現において、風景とは自己の反映です。
人は、風景に自分自身を見るのです。
生まれ故郷の風景を撮ればそれが自己表現になるというのは、石川啄木的な単純なノスタルジアともちょっと違うような気もします。
ただ、あまりにバリエーションの少ない風景なので、たぶん、置田さんは、「次」を目指して早晩歩きださなくてはならないだろうと予想します。
それがどんな方角なのか。
気になっています。
2012年11月14日~12月2日(日)正午~7pm(最終日~5pm)、月曜休み
ギャラリーミヤシタ(札幌市中央区南5西20)
□Kiyomi Okita: http://home.att.ne.jp/omega/hiyo4/
■東川フォトフェスタ ストリートギャラリー (2009年)
■PHOTOGRAPHY EXHIBITION MOVE 2(2009年)
■光を編む この言葉に触発された13名の作家達が織りなす世界(2008年)
東川町フォト・フェスタに行ってきた(1)-ストリートギャラリー(2008年)
■ARTIST WEEK vol.1 "air" (2008年)
■MOVE(2008年)
■Life 置田貴代美写真展 (2007年)
■OPERA Exhibition vol.2 (2007年)
■置田貴代美写真展「ISHIKI-意識」(06年11月)
■東川町フォトフェスタ(06年7月)
※以下、画像なし
■個展「空の叙事詩」(05年)
茶房森彦で見た置田貴代美さんの写真展の回想
置田貴代美写真展 キヨミのそら-空の表情(2004年)
・地下鉄東西線「西18丁目」駅から約690メートル、徒歩9分
・市電「西15丁目」から約1060メートル、徒歩14分
・ジェイアール北海道バス「53 啓明線」(JR札幌駅、大通西4-西11丁目駅-啓明ターミナル)で「南3条西20丁目」降車、約330メートル、徒歩5分。
・ジェイアール北海道バス「54 北5条線」(JR札幌駅発)に乗り終点「長生園前」で降車、約710メートル、徒歩9分
・東西線「円山公園」からジェイアール北海道バス「円10」「円11」「桑11」「円13」に乗り継ぎ「南6条西25丁目」降車、約540メートル、徒歩7分