![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/dc/4fd92ca41c5829d1cc8cce639546e831.jpg)
道立三岸好太郎美術館は、年4回前後の所蔵品展のほか、年1、2度、テーマを決めて特別展を開いている。
今年の特別展のテーマは「犬」。
犬が登場する三岸の作品はもちろん、ほかの作家の絵画や版画、立体なども並べて、特別展らしい雰囲気の会場になっている。特に、写真がけっこうあるのは、担当学芸員の好みが出ていて、とても良い。
出品されているのは、レンブラント、デューラー、奈良美智、森山大道、ローランサンら。
道内からは、小川原脩、国松登、栗谷川健一、松樹路人、度会純价、川上りえ、山本祐歳、なかいれい、果澄、SHUUN の作品が並んでいる。小川原、国松、栗谷川の3人は故人で、道立近代美術館の所蔵品だが、ほかは現在活躍中だ。
レンブラント、デューラーの銅版画も同館から借りてきたものだが、だいたい
「犬が画面の片隅に描かれている」
という理由で展示されるというのは、珍しい。
写真では、これはたぶん札幌芸術の森美術館でも展示されていたのではないかと思うのだが、このドアノーの作品が笑えた。橋の上にイーゼルを立てて風景を描いているのかと思ったら…。
http://www.fashion-headline.com/article/img/2013/01/17/373/3293.html
それにしても、これだけだと、単に「犬の登場する作品を並べました」というだけで終わってしまう、いささか情けない展覧会になってしまうのだが、2階奥に「近代北海道の犬の姿」というコーナーがあることで、企画にふくらみが出ている。
樺太犬が、荷物を載せたそりを曳くなど使役されていたという史実を提示することで、人と犬との長い付き合いに脚光があたり、単にかわいいだけの存在ではないことがわかってくるのだ。
もうひとつ、皮肉に感じてしまうのは、初期の三岸の絵がいかにも中流階級の生活を描いていながら、彼自身は食うにも事欠くような貧乏な暮らしを送っていたこと。キャンバスを買うお金がなかったので、紙に油絵を描いている。
この時代、まだ多くの人は和装であり、テニスをやれる階層と、食べるのに精いっぱいでそれどころではない階層とは、厳然と分かれていた。
ただし、ブルジョワだけが犬を飼っていたわけではない。いろいろに役立つ存在だったからだ。あらためて、犬と人間の絆の強さと長さとを思う。
2015年9月5日(土)~10月21日(水)午前9時30分~午後5時、月曜休み(祝日は開館し9月24日、10月13日は休み)
道立三岸好太郎美術館(札幌市中央区北2西15)
・ジェイアール北海道バス、中央バス「道立近代美術館」から約450メートル、徒歩6分(都市間高速バスも、北大経由以外、すべての小樽、岩内方面行きが止まります)
・地下鉄東西線「西18丁目駅」から約670メートル、徒歩9分
・市電「西15丁目」から約710メートル、徒歩9分
・ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」(JR桑園駅―円山公園駅―啓明ターミナル)で「北3条西15丁目」降車、約200メートル、徒歩3分(ギャラリー門馬やギャラリーミヤシタから1本で来られる)
・ジェイアール北海道バス「54 北5条線」(札幌駅前―長生園前)、「58 北5条線」(札幌駅前―琴似営業所前)で「北5条西17丁目」降車、約490メートル、徒歩7分
・ジェイアール北海道バス「31 北7条線」「37 南新川線」で「北2条西12丁目」降車、約690メートル、徒歩9分
今年の特別展のテーマは「犬」。
犬が登場する三岸の作品はもちろん、ほかの作家の絵画や版画、立体なども並べて、特別展らしい雰囲気の会場になっている。特に、写真がけっこうあるのは、担当学芸員の好みが出ていて、とても良い。
出品されているのは、レンブラント、デューラー、奈良美智、森山大道、ローランサンら。
道内からは、小川原脩、国松登、栗谷川健一、松樹路人、度会純价、川上りえ、山本祐歳、なかいれい、果澄、SHUUN の作品が並んでいる。小川原、国松、栗谷川の3人は故人で、道立近代美術館の所蔵品だが、ほかは現在活躍中だ。
レンブラント、デューラーの銅版画も同館から借りてきたものだが、だいたい
「犬が画面の片隅に描かれている」
という理由で展示されるというのは、珍しい。
写真では、これはたぶん札幌芸術の森美術館でも展示されていたのではないかと思うのだが、このドアノーの作品が笑えた。橋の上にイーゼルを立てて風景を描いているのかと思ったら…。
http://www.fashion-headline.com/article/img/2013/01/17/373/3293.html
それにしても、これだけだと、単に「犬の登場する作品を並べました」というだけで終わってしまう、いささか情けない展覧会になってしまうのだが、2階奥に「近代北海道の犬の姿」というコーナーがあることで、企画にふくらみが出ている。
樺太犬が、荷物を載せたそりを曳くなど使役されていたという史実を提示することで、人と犬との長い付き合いに脚光があたり、単にかわいいだけの存在ではないことがわかってくるのだ。
もうひとつ、皮肉に感じてしまうのは、初期の三岸の絵がいかにも中流階級の生活を描いていながら、彼自身は食うにも事欠くような貧乏な暮らしを送っていたこと。キャンバスを買うお金がなかったので、紙に油絵を描いている。
この時代、まだ多くの人は和装であり、テニスをやれる階層と、食べるのに精いっぱいでそれどころではない階層とは、厳然と分かれていた。
ただし、ブルジョワだけが犬を飼っていたわけではない。いろいろに役立つ存在だったからだ。あらためて、犬と人間の絆の強さと長さとを思う。
2015年9月5日(土)~10月21日(水)午前9時30分~午後5時、月曜休み(祝日は開館し9月24日、10月13日は休み)
道立三岸好太郎美術館(札幌市中央区北2西15)
・ジェイアール北海道バス、中央バス「道立近代美術館」から約450メートル、徒歩6分(都市間高速バスも、北大経由以外、すべての小樽、岩内方面行きが止まります)
・地下鉄東西線「西18丁目駅」から約670メートル、徒歩9分
・市電「西15丁目」から約710メートル、徒歩9分
・ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」(JR桑園駅―円山公園駅―啓明ターミナル)で「北3条西15丁目」降車、約200メートル、徒歩3分(ギャラリー門馬やギャラリーミヤシタから1本で来られる)
・ジェイアール北海道バス「54 北5条線」(札幌駅前―長生園前)、「58 北5条線」(札幌駅前―琴似営業所前)で「北5条西17丁目」降車、約490メートル、徒歩7分
・ジェイアール北海道バス「31 北7条線」「37 南新川線」で「北2条西12丁目」降車、約690メートル、徒歩9分