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■第40回記念 北見書道連盟役員展 (2013年6月19~25日、北見)

2013年06月21日 18時47分58秒 | 展覧会の紹介-書
 久しぶりに良い書展を見た。
 北見地方の書家36人が、漢字(写経含む)、かな、近代詩文などを出品している。篆刻てんこくは1点のみ。刻字、墨象ぼくしょう、前衛書などはない。

 村上子邦さん「和風清穆」は、古拙・素朴であることに寄りかからない、さわやかな運筆。モダンでありながら、いかにもモダンです-という顔をしている作とも異なる。
 小坂梨華さん「一煙爐香」(字釈は「ひとかがりの香をたく」)も、力が入りがちな漢字の少字数書を、ふっと肩の力を抜いて書いたのが、好ましい。見ているとほっとするのだ。
 もちろん、力の入った書も良い。小林如峰さん「喝」は、気合が、淡墨でほどよく中和されているようだ。

 野々下恭敬さん「無盡藏」は、オーソドックスではあるが、これが扁額として、たとえば道場の壁などに掛かっていたらどんなに気持ちよいだろうという気がした。日常目にするものは、奇をてらったものよりも、のびのびとしてしっかりしたものが良い。なお、言わずもがなであるが、無盡藏は、新字体にすると、無尽蔵である。

 この展覧会にも出品している栗山子峰さんが、幼稚園で書を教えているそうだ。その件で最近、北海道新聞のインタビューに答えていた。
 次のように話していたところが、心に残っている。

幼稚園で教え始めて1年が過ぎた。最近、「草」という字を書かせたら、小さく書いた園児がいた。「理由を聞いてみたら『まだ春じゃないから、草は小さいでしょ』と言われて驚いた」。


 いい話だと思う。

 
2013年6月19日(水)~25日(火)午前9時30分~午後5時30分(最終日~午後2時)
NHKぎゃらりー(北見市北斗町2、NHK北見放送局



・JR北見駅から直進、約1.2キロ、徒歩16分
・大通、北見駅から北海道北見バス「緑ケ丘団地線」で「NHK」降車すぐ。「高栄団地線」「若葉線」で「北斗高校」降車、約320メートル、徒歩4分


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