鉄を使ったパワフルな彫刻やインスタレーションを制作する川上りえさんの個展。今回は、会期中に人々がさわることで変化していく作品です。筆者はオープニングにいけなかったのですが、美術家の渋谷俊彦さんが写真を撮影してくださったので、紹介します。縦横に針金が並ぶ作品は、初日のうちにぐにゃぐにゃに曲げられてしまったようです。
筆者が見たときはご覧のとおり。作品の残骸みたいな感じです。
CIAからのメールにはつぎのようにありました。
人々の意思はけっこう破壊的だったということでしょうか?
6月10日(土)-24日(土)13:00-19:00、日曜休み
CAI 現代芸術研究所(中央区北1西28 地図D)。
筆者が見たときはご覧のとおり。作品の残骸みたいな感じです。
CIAからのメールにはつぎのようにありました。
私は、様々な要因の集積、蓄積によって変化する環境の姿を生命体として見ることに興味があります。今回の作品は、人間の「意志」という目に見えない要因により生み出される変化を生命の姿に置き換える試みです。鑑賞者の方達には、会場一杯に設置されたワイヤの形状の中を行き来する中で、素材を触り、自由に曲げてもらいます。ワイヤを曲げることに無関心の人もいれば、意欲的に変化させることを試みる人もいるでしょう。そうした様々な意志の集積により作品は命を帯び、その変化は期間中定期的に記録し、随時会場内に展示する予定です。
人々の意思はけっこう破壊的だったということでしょうか?
6月10日(土)-24日(土)13:00-19:00、日曜休み
CAI 現代芸術研究所(中央区北1西28 地図D)。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~artnorth/t-kawakamirie.htm
へのリンクが理解の上で参考になります。
以前読んで興味を持ちました。
関係ないけど、中森はその店舗を活かして
別のお店になるようです。
内装工事で見る限りは、、、、
リンクありがとうございます。
まさに、その米国での試みと、おなじものだと思います。
>エゾ三毛猫さま
「CAIからのメール」の間違いでした。お恥ずかしい。
私は川上さんの作品により都会という「意識」を感じる。都会者の生活や行動が都市という「存在」そのものをいびつにし、変貌させそして破壊する。池田さんの「マスク」は木に仕組まれたモノが自然という時間によって微生物の作用による緩やかな変化を受ける時の流れがそのまま残されている。その意味では池田さんの作品は日本人が持っている自然観や宗教観と共通する。
ここに両者の決定的な違いが現れているのではないかと思うのである。
すなわち川上さんの作品には時間軸という地球の自転に支配されるものを短縮し人々の意識の集積としてわれわれの眼前に強烈に突きつけるのである。これはまさにアメリカ人的である。
一見強固に計算された構築物である針金(都市)が、人々が通過する課程で曲げられ押しのけられあるいは踏みつけられることでついには意志の集積として大抵の場合床に押しつけられる。その様は都市の建築にも見えるし都市生活で否応なしに突きつけられる人間の意識の変貌あるいは量としての人間の「いびつな常識」の定義づけとも感じられるのである。
美術品は本来提示された形態そのものが作品とされて来た傾向があるが、それを意識的に破壊し形態を変化させることがあるいは現代日本人の複雑な意識の変貌を表象しているのかも知れない。