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■『木になるひととき』‐村木昭彦fico作品展 (~2013年8月4日、札幌)

2013年08月03日 21時10分52秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 『木になるひととき』‐村木昭彦 fico 作品展が、札幌で開かれているので、仕事の合間を縫ってのぞいてきました。
 札幌在住の村木さんは、日本伝統工芸会の正会員になってから個展を-と決めていたそうで、一昨年、晴れて正会員になりましたので、これが初の個展ということになります。

 村木さんは、旧知の陶芸家にすすめられて、木の箱づくりを始めたそうです。
 2001年に、難関をもって知られる東日本伝統工芸新作展に初出品。最初の2度は落選しましたが、東京で開かれる研究会に出席してその道の大家に教えを請い、03年からは連続入選。
 07年には日本工芸会賞を受賞し、その年の図録の表紙に採用されるという快挙を成し遂げています。

 今回の会場には、03年以降の入選作が並んでいます。
 精巧なつくりのため、年に1、2個しか作れないそうです。




 手前は、最新作の「黄蘗 き はだ造氷紋小箱」。
 表面に見える線の模様は、色の異なる木を細くして神代杉の間に挟み込んだもの。厚さ2ミリほどというから、気の遠くなるような精緻さが要求されます。

 角度を変えてみると、文様が違います。

 側面に象嵌したのは初めてとのこと。
 網走の北方民族博物館で見た、ウイルタの太鼓の文様をアレンジしたとのことです。
 「ここから雪原や空、オーロラがイメージされていく。やはり北の意匠、風土を表現したいんです」
という意味のことを、村木さんはおっしゃっていました。

 一方、会場のもう片側には、伝統工芸の箱とは違う、指物などが並んでいます。

 中でも、ずらっと並んだクマや牛がかわいらしいですね。
 スウェーデンの民芸品に倣って制作したとのこと。デフォルメの具合がちょうどいいので、クマや牛もつくってみたそうです。
 ところどころに直立している黒っぽい四角形は「モノリスです」と、笑っていました。



 11月には、伝統工芸北海道展が、三越札幌店で開かれます。このときは、もうちょっとゆっくり見られそうだなあ。


スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
2013年7月30日(火)~8月4日(日) 午前10時~午後7時(最終日~午後4時)

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