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網走管内斜里町峰浜に「斜里窯」をかまえる中村二夫さんの、2年ぶりの展覧会。
おそらく日本最東端の窯でしょう。
中村さんの作品の特徴は、すべて道内産の土で制作していること。現在は、名寄と留辺蘂(現北見市内)の土を配合しているそうです。
もともと道内の土は陶芸に向かないとされており、道内の陶芸家の多くが信楽などから陶土を取り寄せています。近年は野幌(江別市)などの土での制作にとりくんでいる人もいますが、100%道内産という人はそれほど多くありません。
中村さんは昨年末、窯も道内産の土でこしらえてしまいました。
このような「こだわりの人」なのですが、作風はいたってオーソドックス。粉引や焼き締めの皿、茶碗、ぐいのみ、マグカップ、花瓶などが大量に出品されています。しかも、湯呑みの大が1050円、小が735円など、非常に安い。
井戸茶碗など、高額な茶器もありますが…。
冒頭の画像は、小の湯呑みです。粉引ですが、炎の色がなんともいえない味わいを出しています。
ほかにも、高台にこぼれる釉薬、繊細な貫入など、たった735円でこれほど楽しめる陶器もめったにありません。
もちろん、朱色の入り方や灰色のトーンなどは、ひとつひとつことなります。会場でそれらを見比べることこそ、陶芸展の醍醐味だと思います。
しかし、本来の陶芸というのは、こういうものではないでしょうか。
デザイン的に凝った、少し高額な作品の存在を否定するつもりはありません。しかし、だれでも安心してつかえる飽きの来ない生活雑器を、しかも安く作るという姿勢は、意外と道内では置き去りにされているような気がしないでもありません。
いろいろ考えさせられる展覧会でした。
08年2月12日(火)-17日(日)10:30-18:30
さいとうギャラリー(中央区南1西3、ラ・ガレリア5階 地図B)
■06年の斜里窯展(画像なし)
おそらく日本最東端の窯でしょう。
中村さんの作品の特徴は、すべて道内産の土で制作していること。現在は、名寄と留辺蘂(現北見市内)の土を配合しているそうです。
もともと道内の土は陶芸に向かないとされており、道内の陶芸家の多くが信楽などから陶土を取り寄せています。近年は野幌(江別市)などの土での制作にとりくんでいる人もいますが、100%道内産という人はそれほど多くありません。
中村さんは昨年末、窯も道内産の土でこしらえてしまいました。
このような「こだわりの人」なのですが、作風はいたってオーソドックス。粉引や焼き締めの皿、茶碗、ぐいのみ、マグカップ、花瓶などが大量に出品されています。しかも、湯呑みの大が1050円、小が735円など、非常に安い。
井戸茶碗など、高額な茶器もありますが…。
冒頭の画像は、小の湯呑みです。粉引ですが、炎の色がなんともいえない味わいを出しています。
ほかにも、高台にこぼれる釉薬、繊細な貫入など、たった735円でこれほど楽しめる陶器もめったにありません。
もちろん、朱色の入り方や灰色のトーンなどは、ひとつひとつことなります。会場でそれらを見比べることこそ、陶芸展の醍醐味だと思います。
しかし、本来の陶芸というのは、こういうものではないでしょうか。
デザイン的に凝った、少し高額な作品の存在を否定するつもりはありません。しかし、だれでも安心してつかえる飽きの来ない生活雑器を、しかも安く作るという姿勢は、意外と道内では置き去りにされているような気がしないでもありません。
いろいろ考えさせられる展覧会でした。
08年2月12日(火)-17日(日)10:30-18:30
さいとうギャラリー(中央区南1西3、ラ・ガレリア5階 地図B)
■06年の斜里窯展(画像なし)
日常で、このように人の手の入ったあたたかいものを使えるといいな~と思います。
ちなみに「鴎外選集」です。
この本のことはのちほど書く予定です。