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■ナタリー・ツゥー「音のない水たちのささやき」 2023年10月7日その13―ROOTS & ARTS しらおい/白老文化芸術共創

2023年12月11日 08時13分36秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(承前)

 白老シリーズも終盤。
 久しぶりの記事になります。

 虎杖浜駅から登別方向へ屋外写真を探しながら歩くこと十数分。
 海岸沿いの道路は、アヨロ川を渡ると、上り坂になります。

 坂の上の、左手にはホテルが建ち、右手には「ルーツ&アーツしらおい」の会場である「青峯山観音寺」が立っています。
 「二重の塔」とでもいいたくなるような、独特の風格ある建築物です。
 
 お堂の中に入ると、右手の畳の部屋に、インスタレーションが置かれていました。

 作者について、公式サイトには次のようにあります。

オスロと東京を拠点に幅広い分野で活躍するアーティスト、研究者。風景の記憶の探求をテーマに、フィールドワーク、サウンド、パフォーマンス、アートブック、グラフィックなど様々な形態のプロジェクトを行う。歴史的な風景を記憶する方法を発見するために、音を道具として扱う。

 
 ノルウェー出身の方のようで、北海道にはたびたびフィールドワークで訪れているようです。

 そして、今回の作品は、先ほど渡ってきたアヨロ川に着想を得たものだということです。

 実際の河川がコンクリート護岸に覆われているとはいえ自然の中を流れているのにくらべると、いささか人工物めいたメタリックな外観ですが。
 
 ただ、これは批判しているわけではないのですが、こういう、不規則に音を出したり、光を発したりするインスタレーション、最近多くないですか?

 白老駅前で見てきたばかりの梅田哲也さんの作品がそうですし、大友良英さんのターンテーブルを用いたインスタレーションやクリスチャン・マークレイの作品にも通じるものがあります。
 
 2019年の岡山芸術交流に出品していたタレック・アトゥイにも似ています。
 
 それらと明確に異なるのは、お香の匂いだと思いますが、これは作品の属性なのか、それとももともとお堂の中に焚かれていたものなのか、判然としません。

 いずれにせよ、これを見ただけでは鑑賞は完結しないということなのでしょうか。
 作者がここで何度か行ったパフォーマンスに相対するか、あるいは、ここを起点にアヨロ川流域を歩くか、そういうことをしたかったなあ~と思うのでした。

 





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