北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■毛利史長作陶展 CERA MIX TURE (11月20日まで)

2007年11月19日 23時52分12秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 
 室蘭の陶芸家、毛利史長(ふみおさ)さんは、ことしはずいぶん札幌で発表の機会を持ちました(偶然らしいですが)。
 今回は、10月の2人展でならべたオブジェや絵画のほか、青白磁や粉引の親しみやすいうつわも展示しています。

 冒頭の画像で机の上に並んでいるのは、砕いた陶土を表面に貼り付け、文字を刻印した「SALAD DADA」のシリーズ。
 題名は、しゃれと言うか、言葉遊びです。
 机の下には、じぶんの顔をかたどりした「VACANT HEAD」のシリーズが置かれています。(「ROCKな陶」のエントリ参照)
 また、会場中央には、先の2人展では会場の高い位置に置かれていた「SEN-MEN-KI」のちょっと怖いインスタレーションが鎮座していました。


                 


 キャンバスのかわりにコルクボードを用い、陶芸の作業に使うサンドペーパーや写真などをコラージュして貼り付けた絵画は大小11点。いずれも「MY MUSIC DRAWING」と題がついています。

 毛利さんは大学(愛知県芸大)で陶芸を専攻しましたが、以前は絵が描きたくて、陶芸と並行してできないだろうかと考えたこともあったそう。しかし、実際は陶芸の材料などにお金がかかるので、油絵を描くのはやめて、コルクボードにしたのだと話しておられました。
 やたらと画鋲が使われており
「見に来た人には、使いすぎだ-と言われるんです」
と毛利さんは苦笑していました。画鋲は、ぴかぴかしてカッコイイのと、音楽=ロック=革ジャンに鋲…みたいなイメージからきているのだそうです。
 「あまり考えず、衝動に任せてやっています」
 80年代のニューペインティング(ニューエキスプレッショニズム)からの影響を問うと、たしかに時代的にはぴったり重なっているとのことで、ペンク、バスキア、日比野克彦、横尾忠則の名を挙げていました。


          


 ことしの札幌での展観では、わりとオブジェが中心でしたが、今回はふつうに日常使える器もけっこうあります。
 ぐいのみ、長皿、カップなどです。
 お値段もわりとお徳だと思います。

 こちらは一般的な陶芸ふうの名前がついていて、クラックした陶土をつけた作品のほうが「CARCKING GLOBE VASE」などと題されているのは、やはり毛利さんの意識の中で、後者のほうが「ロックな作品」だということになっているからでしょうか。
 筆者は、毛利さんの口から「衝動」などということばがついて出るのを聞くと、ついロックンロールだなあ、などと思ってしまうのです。


07年11月15日(木)-20日(火)11:00-19:00(最終日-17:00)
石の蔵ぎゃらりぃ はやし(北区北8西1 地図A

□むろらん高砂窯 http://www.takasagogama.com/

毛利史長・河合利昭 陶二人展「産土不一致」(07年12月)
ROCKな陶 3PIECE展(07年6月、画像なし)
第7回生まれ出ずる土塊(つちCLAY)展(07年4月、画像なし)
第5回同展(03年、画像なし)


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
♪どうもありがとうございました♪ (毛利史長)
2007-11-21 21:24:26
はじめて拝見させて頂きました。僕の仕事を五年も前から見ていただいていたとは露知らず、大変恐縮です。そしてとても嬉しいです。これからも滑稽な仕事を続けると思いますが、転がる石と遊ぶ様に楽しんで頂けたらな~♪と思います。感謝♪

返信する
こちらこそ感謝です♪ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-11-21 23:22:45
 毛利さん、先日はありがとうございました。
 北海道では、うつわ(それもちょっと高め)を作る人は大勢いますが、毛利さんのように果敢に造形に挑んでいく人はごく少数です。
 見る側から無責任に言わせてもらえば、毛利さんのような陶芸家もいないと、じつにつまりません。
 今後も楽しい作品をおねがいします。よろしくです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。