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国際公募展で入賞*帯広の現代美術家 池田さん*初出品で快挙*環境悪化マスクで表現

2007年11月27日 20時24分20秒 | 新聞などのニュースから
 11月22日の北海道新聞帯広・十勝版から。

 国内外の多彩な版画作品を集めた国際公募展「あおもり国際版画トリエンナーレ」(青森市など主催)で、帯広市在住の現代美術家池田緑さん(64)の作品「Silent Breath(木が六年間掛けたマスク)」が道内で唯一入賞した。初出品での快挙で、24日に青森市で行われる表彰式に出席する池田さんは「今後の創作の励みになる」と喜んでいる。

 同展は、棟方志功ら世界的な版画家を輩出する青森市が2001年から3年おきに開催。今回は世界各国から1646点の応募があり、137点が入選、その中から池田さんの作品を含む10点が入賞した。

 「Silent-」は池田さんが1999年から取り組んでいる「医療用マスク」をモチーフとした作品。池田さんは戦争や開発など人間社会の営みによって悪化する地球環境を憂い、世界各国で、建物や樹木などにマスクをかける「マスク・プロジェクト」を展開している。失われていく自然や生命に対する畏敬(いけい)の念をマスクに託し、マスクに吸着した雨水やホコリ、コケなどで時間の蓄積や、環境悪化が進む地球の姿を表現している。

 「Silent-」では、99年から04年までの6年間、新得町サホロ湖周辺の樹木に実際に掛けていたマスクを使用。茶褐色に変色したマスク2枚をスキャナーで取り込み、デジタルプリント作品として仕上げた。

 池田さんは「地球環境や社会情勢は悪化する一方ですが、自分の活動が少しでも実を結べば」と願っている。


 初出品といってもトリエンナーレ自体まだ3回目ですから…。

 それにしても、池田さんがとりくんでいるマスクのプロジェクトについては、短くじょうずにまとめている文章ではないかと思います。

 昨年の越後妻有(つまり)で、マスクによる展開ができなかった池田さんとしても、うれしい受賞ではないでしょうか。


□池田さんの公式サイト http://www.ima.me-h.ne.jp/~ikeda.midori/

越後妻有トリエンナーレでの池田さんの作品 (06年)
十勝千年の森=水脈の森・万象の微風 自然=人間=大地=(03年)
道立帯広美術館での個展(02年)
同上の個展にあわせ、美術館前につるされた「マスクツリー」
とかちの環境アート(02年)


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