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■第75回独立展北海道展(続き)=4月13日まで

2008年04月13日 10時32分17秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 「新会員・受賞作品」のカテゴリーには11点来ており、そのうち3点が道内関係。
 高橋正敏「地上-螺旋の沃野で-」と木村富秋「鳥唄(凍土)」が会員推薦、波田浩司「羽の舞う日」が奨励賞である。
 やはり会員推薦の伊東茂広「標'07-II(都市-刹那)」は、くりかえしになるが近年の独立の新傾向を代表するタイプで、廃品やパイプなどがおびただしくアッサンブラージュされている。
 個人的に印象に残ったのが、芝田米三賞の河合規仁「月光」。巨大な白象と、古い街並みを描いたもので、家々の間の沿道は祭りのように人がびっしりと出てきて、桜が満開になっている。「土俗派」とでも形容すべきだろうか。まるで、滝田ゆうが幻想を志向したようなふしぎな1点だ。

 なお、以上名を連ねた道内関係者のうち、相田と高橋伸以外の6人はいずれも全道展会員である。

 会員たちの高水準の絵に目が慣れてしまうと、いつもは「大したもんだなあ」と感心しながら見ている道内出品者たちの絵も、失礼ながら、それほどの絵には感じられなくなってくるのだから、罪なもんである。
 道内からは、準会員3人を含め47人。
 道展に出している福田高治を別にすれば、全道展の関係者ばかりである。
 全道展では会員だったり、会友だったり、一般だったりするけど、ここでは十把ひとからげにならんでいる。   

 このなかでは、若い河村祐子「GRANDIR」と志田翼「territory」に目がいく。
 河村の作品は、4人のダンサーの一瞬をとらえたもので、なんだか「スーパーモンキーズ」みたいだけど、昨年の時計台ギャラリーで見たもの。こうして見ると、はつらつとしていいなあと思う。
 志田は、昨年の全道展協会賞を受けた作品はそれほどいいとは思わなかったけれど、今回のはおもしろい。テトラポッドの広がる空間でドラマが展開されているようだ。
 木村由紀子「風の譜 II」は、なだれこんでいく茶の矩形の連なりが快感だ。ダイナミックさが良い。

 道内出品者は次のとおり。
秋元美穂「ponopono II」(函館)
浅川 茂「大地の扉」(帯広)
安藤和也「その時、君が見たものは…Monologue II」(江別)
石橋節こ「とまどう;気」(札幌)
梅津 薫「静かなる生成・II」(岩見沢)
江幡やす子「捨てられたもの達 II」
大久保恵美子「バナナ娘のいる風景2」
大友和子「漁婦(3)」(石狩)
大友勘十郎「CRANIUM II」(石狩)
大澤 康「paradigm shift」(札幌)
神谷礼子「遠い記憶 Gaishi」(石狩)
河村祐子「GRANDIR」(札幌)
黒坂梨乃「空(くう)」(札幌)
小松義子「若い細胞」(札幌)
昆勢津子「とりなしの祈り I」(函館)
佐々木祥子「祈り。ガンジス河III」(札幌)
斉藤嗣火「再生II」(札幌)
坂井伸一「ザムザの死(廃棄)」(苫小牧)
佐藤仁敬「paranoid」(札幌)
佐々木ゆか「憂いの時」(札幌)
坂本彩子「木炭を持つ自画像」(函館)
斉藤 保「何処へ」(旭川)
志田 翼「territory」(札幌)
紫和留里子「何処へ~'05」(北斗) 
柴田雅子「森閑」(札幌)
砂田陽子「2007家族Red-Table II」(札幌)
田村宣章「渇領「交歓」」(岩見沢)
デュボア康子「呼吸II」(札幌)
土屋千鶴子「環II」(夕張)
中川克子「変容(2)」(苫小牧)
奈良崎恵子「時-A」(札幌)
西澤弘子「海鳴り(舞う)」(札幌)
平松佳和「夢か現か」(旭川)
藤田博子「胎動③」(札幌)
福田高治「作品2007B」(日高郡)
本庄康伸「蔭疵(1)」(旭川)
宮地明人「paradox」(札幌)
村本千洲子「春遠からじ」(札幌)
やまだ乃理子「やさしい不在」(苫小牧)
山口順子「生命賛美II」(旭川)
米谷哲夫「樹林B」(札幌)
吉田周史「破壊からの脱出-06」(旭川)
渡辺通子「マイム・マイム(ひとり遊び№2)(深川)
渡辺禎祥「海流は語る」(帯広)

準会員作品
木村由紀子「風の譜II」(札幌)
遠山隆義「人間破壊(B)「8:15.Am.august.6,1945」」(旭川)
渡辺貞之「黒い羽根の天使「マイホームゴッコ」」(深川)
 

08年4月2日(水)-13日(日)9:30-17:00(入場-16:30)
道立近代美術館(中央区北1西17 地図D


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