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第40回記念白日会北海道支部展(7月8日で終了)

2006年07月08日 21時20分32秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 白日会は1924年(大正13年)発足という歴史の古い全国規模の公募展です。今回は記念展ということで、道内の会員・出品者のほかに、中山忠彦会長をはじめとする本部常任委員や、栃木支部のメンバーも出品しています。例年の札幌市民ギャラリーの展覧会にくらべ、はなやかな感じがしました。

 全体的には、穏健なリアリズム系が主流です。月刊「美術の窓」を見ていると、本展ではスーパーリアリズムの作品が増えているようですが、この展覧会では、札幌の中原宣孝「私たちにとっての天動説について」が唯一その傾向の絵でした。この絵は、昨年の道展記念展の出品作です。
 
 A室が北海道支部の部屋。
 1914年(大正3年)生まれの大ベテラン平野俊昌「光の中に」は、黄色をバックに、ボタンの大きな紺色のワンピースを着けた女性像。
 1920年生まれの川村正男「羅臼岳」は、高い視点からの山。さまざまな緑色が使われています。
 芳賀文明「初春」は、ゆるやかな谷あいの林がモティーフで、北海道のきびしい冬を描いています。
 リアリズム系の多い中で、松信元一「追憶」は、寒色系をメーンにした抽象画で、どこか難波田龍起を思わせます。
 大橋頼子「樹々」は、緑色をメーンに、イラスト的な味わいのある水彩画です。


 B室は本部常任委員。
 11人が1点ずつ出品していますが、小品ばかりなのがちょっと残念です。
 中山忠彦「羽毛のショール」は、アカデミズムふうの手堅い肖像画。
 丸い帽子をかぶった男を描いた有田巧「アザリア」は、ひょっとすると宮沢賢治のイメージでしょうか。

 C室は、北海道支部の姉妹支部である栃木支部と、中央で活躍している道内出身者3人、それに、平野さん「詩織」、川村さん「時雨れる斜里岳」。
 道内出身者のうち、札幌出身の高梨芳実「コスモス」は、コスモスを挿した瑠璃色の花瓶と、その下方を包んでいる薄ばら色の布の対比が絶妙。バックは灰色のカーテンやテーブルクロスで、花などを引き立てています。
 ほかに、留萌出身の神山晃一「銅のフライパン」、遠軽出身の石井康博「初夏・富良野麓郷」。

 A室のほかの作品は次のとおり。
小川智「神居古譚冬日」
南里葉子「春を待つ」
小堀清純「金鶏のある静物」
後藤俊子「春を呼ぶ静物」
高橋芳夫「隠された庭への道とヒマラヤの青いケシ~札幌の芸術の森にて」
中谷勝善「雪解けの頃」
中西尭昭「山麓緑奏」
鈴木則子「ひととき」
関建治「春待つ浜」

(この項、敬称略させていただきました)

7月3日(月)-8日(土)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

□白日会のサイト

■第70回方究会(06年5月)


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