北大生の方からメールをいただいて、一風変わった写真展を見に行ってから2カ月近い日々がたってしまった。
「北海道美術ネット」には、つぎのように紹介しておいた。
いただいたメールはおおよそつぎのとおりだった。
遠友学舎は、エルムトンネルや北大第二農場モデルバーンの近くにある比較的新しい建物で、これまで書展に使われたことはあったが、このような写真展はめずらしい。
行ったことのある人はわかると思うけど、窓が大きいので、昼はさんさんと光が入ってくる。
筆者が行ったのは夜だった。
会場はかなり暗く、スポットなどは要所に配置されていたものの、個々の写真を見るにはややつらい状態。
それぞれの写真は、一般的な、額に入れて壁にならべるのではなく、搭のような筒に貼り付けたり、天井から一定の間隔を置いて5枚ずつほどの単位で吊り下げたり、斬新な展示の方法だった。
見る人は、吊られている写真をしたから観亜画エルのである。
さらに、会場の中央には、2カ所で写真が投影され、片方はモノクロ、もう片方はカラーで、しかもそれはよく見ると、おなじ素材を、モノクロに変換しているのだった。
たしかに、これまでの写真展では、それほど展示の方法論に自覚的なものが多かったとはいえない(それでも、たとえば釧路市芸術館の森山大道展など、けっこう健闘していたほうだと思う)。
そのことを思えば、こういう試みはどんどんあってしかるべきだろう。
いちおう、会場の入口にあるプリントで、どこに吊り下げられている写真が誰のものかは、わかるようになっていたが、会場が暗いので、いちいち確認するのも面倒になってきて、目前に展開されているイメージが誰のものなのか、だんだんどうでもよくなってくる(もっとも、竹本さんの作品はすぐにわかることが多いが)。
そうなると、作品にまとわりついていた作家性みたいなものが削げ落ちて、アノニマスなむきだしの映像だけによる勝負という感じになってくるのだ。これ自体は、なかなかおもしろい試みたりえていると感じた。
ゲストは、名の通った人たちばかりで、そういう人の作品を、名前を気にせずに見るというのも、あまりない経験なのだ。
ただし、一部の写真が、ファミリー写真みたいで、あまりにほかのものから「浮いて」いたのが気になったが。
あとで聞いたところによると、やはり昼間はかなり雰囲気が違ったらしい。
2度行った人は、昼のほうがいいと言っていた。
うーん。ぜひ昼にも行ってみたかった。
このあとも、これほど大規模でなくていいから、凝った「北大写真部展」を見たいものだと思った。
08年3月5日(水)-9日(日)10:00-20:30(初日13:00-19:00、最終日-19:00)
北海道大学 遠友学舎(北区北17西8 地図H)
□公式サイト http://oureyes.web.fc2.com/index.htm
「北海道美術ネット」には、つぎのように紹介しておいた。
北大の学生畠山雄豪さん、桐圭佑さん、高橋拡夢さんでつくる「OUR EYES」が、従来の写真展の枠を破り空間全体の演出を試みる。ゲストにテラウチマサト(写真家、PHaT PHOTO 編集長&発行人)、竹本英樹(写真家)、飯塚達央(写真家)の3氏を迎える。
いただいたメールはおおよそつぎのとおりだった。
従来の写真展にあるような展示方法ではなく、新たな写真の展示方法があるのではないか、建築を学んでいる学生の立場だからこそ見い出すことのできる空間演出があるのではないか、その可能性を探り、写真はこう見せるものであるという既成概念を外した新しい空間構成を提案したいと考えています。
また、写真を通じてメッセージを発信することによって、北海道、札幌のアートシーンより盛り上げるための節点になればと考えています。
(中略)
今回は、外部交流の一つの場所として位置づけている北海道大学の遠友学舎内部空間全体を使って今回のような学生と第一線で活躍する方々とコラボレーションすることで、北海道大学、さらには北海道の新たな窓口として確立していくことを望んでいます。
遠友学舎は、エルムトンネルや北大第二農場モデルバーンの近くにある比較的新しい建物で、これまで書展に使われたことはあったが、このような写真展はめずらしい。
行ったことのある人はわかると思うけど、窓が大きいので、昼はさんさんと光が入ってくる。
筆者が行ったのは夜だった。
会場はかなり暗く、スポットなどは要所に配置されていたものの、個々の写真を見るにはややつらい状態。
それぞれの写真は、一般的な、額に入れて壁にならべるのではなく、搭のような筒に貼り付けたり、天井から一定の間隔を置いて5枚ずつほどの単位で吊り下げたり、斬新な展示の方法だった。
見る人は、吊られている写真をしたから観亜画エルのである。
さらに、会場の中央には、2カ所で写真が投影され、片方はモノクロ、もう片方はカラーで、しかもそれはよく見ると、おなじ素材を、モノクロに変換しているのだった。
たしかに、これまでの写真展では、それほど展示の方法論に自覚的なものが多かったとはいえない(それでも、たとえば釧路市芸術館の森山大道展など、けっこう健闘していたほうだと思う)。
そのことを思えば、こういう試みはどんどんあってしかるべきだろう。
いちおう、会場の入口にあるプリントで、どこに吊り下げられている写真が誰のものかは、わかるようになっていたが、会場が暗いので、いちいち確認するのも面倒になってきて、目前に展開されているイメージが誰のものなのか、だんだんどうでもよくなってくる(もっとも、竹本さんの作品はすぐにわかることが多いが)。
そうなると、作品にまとわりついていた作家性みたいなものが削げ落ちて、アノニマスなむきだしの映像だけによる勝負という感じになってくるのだ。これ自体は、なかなかおもしろい試みたりえていると感じた。
ゲストは、名の通った人たちばかりで、そういう人の作品を、名前を気にせずに見るというのも、あまりない経験なのだ。
ただし、一部の写真が、ファミリー写真みたいで、あまりにほかのものから「浮いて」いたのが気になったが。
あとで聞いたところによると、やはり昼間はかなり雰囲気が違ったらしい。
2度行った人は、昼のほうがいいと言っていた。
うーん。ぜひ昼にも行ってみたかった。
このあとも、これほど大規模でなくていいから、凝った「北大写真部展」を見たいものだと思った。
08年3月5日(水)-9日(日)10:00-20:30(初日13:00-19:00、最終日-19:00)
北海道大学 遠友学舎(北区北17西8 地図H)
□公式サイト http://oureyes.web.fc2.com/index.htm
またご来場くださっていたようで気付かずにすみませんでした。
重ねて、貴重なご意見もありがとうございます。
展示実験として遠友学舎を舞台に設定し、写真を見るということについて何か発信することを目標に展示を進めて参りました。
当然のことながら、展示によって色々考えさせられる事、反省点も生まれました。
これらを活かして次回も取りかかろうと考えております。
その際には、またぜひご来場していただけたらと思っております。
今回は本当にありがとうございました。
また「気付かずにすみませんでした」とのことですが、名乗らないでこっそり見ていたわたしのほうが悪いので、お気になさらないでください。
写真の見やすさという点では改善した方がよいところもあったかもしれませんが、とても貴重でスリリングな試みだったと思います。またなにかありましたら、お知らせください。