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■Mari Fujita Exhibition (12月28日まで)

2008年12月27日 20時32分53秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 藤田真理さんは札幌在住。以前は絵画を制作していたが、ここ数年はインスタレーションに転じた。
 ことしは、札幌芸術の森美術館の企画展「SAPPORO IS WHITE」や、札幌彫刻美術館の「北の彫刻展」に招待されるなど、充実した年だったと思う。
 その1年をしめくくる、ミヤシタでの個展は、暗い空間に、白い粘土で作った立体を設置したインスタレーションだった。

 白い立体は、柱が途中2カ所で折れているような形状をしている。
 そして、柱の上の面に亀裂が走っている。大きな地震のあとで道路上に走る断裂のようなものだ。
 内部に発光ダイオードのあかりが仕込まれており、白い光が漏れる。
 垂直に折れた断面には、手書きでバーコードと数字がかかれ、この作品も、「北の彫刻展」のときと同様に、現代におけるデジタル-という問題に取り組んでいるといえる。
 手前の端の断面には、バーコードはかかれていない。

 ただし、バーコードやインスタレーション全体が、なにかのメッセージを明示しているとまでは言いがたい。
 もっともそれ自体はぜんぜん悪いことではない。
 アートがメッセージの「絵解き」になってしまい、解釈を知った時点でおもしろさがうしなわれてしまうのであれば、つまらないからだ。
 筆者も、暗い空間で10分以上、この作品の持つ意味を考え続けた。
 見る人に考えさせる「なにか」が、この作品にあるのだろう。

 闇と希望。
 あるいは、亀裂と修復。
 小さな地形のひな形のような白い作品からは、どのようなメッセージでも読み取れるような気がするのだ。


2008年12月11日(木)-28日(日)12:00-19:00(最終日-17:00)、月曜休み
ギャラリーミヤシタ(中央区南5西20 地図D)

北の彫刻展-心の中の自由な世界-(08年8-10月)
Mari Fujita Exhibition 2007
06年の個展
2005年の「絵画の場合」 (このグループからは脱退しています)
■2004年の「絵画の場合」 (くわしい略歴アリ)
■2004年の個展の出品作の画像
■2001年の個展 (画像なし)


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