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■札幌学院大学写真部春期学外展 (4月27日まで)

2008年04月26日 22時13分27秒 | 展覧会の紹介-写真
 デジタルカメラ全盛のこのご時世でもなおモノクロ優位のつづく札幌の学生写真界。しかし、ついにというか、やっとというべきか、今回の展覧会は、カラー(たぶんデジタルが多い)9人、モノクロ14人で、両者が拮抗(きっこう)してきました。モノクロ銀塩の関係商品(印画紙など)はかなり値上がりしており、これまで学生のモノクロ銀塩志向をささえてきた価格の要因が変わりつつあることから、今後が注目されます。

 カラーで、見せ方に意を用いていたのはChihiro Isodaさん。
 トイカメラかピンホールで撮影したかのような茫漠としたカラープリントを、木製のクリップで留めていました。
 プリントは3列にならんでいて、上の列は空や木々、真ん中の列はベンチや遊具、下の列は草花や路面といったモティーフが中心。人間の視線に合わせた配置が心にくいです。

 石河祐太さんは「Surely the heart of somebody becomes warm with your smile」という長い題のモノクロ6点。
 さっぽろ雪まつりの会場で海外からの観光客を写した「人モノ」です。
 英語で「撮らせてください」と声をかけたんだろうなあ。すごいなあ。
 晴れた日の雪まつり会場は、露出や焼きの濃さなど、かなりむつかしいと思います。雪を雪らしく、白く飛ばない程度に焼くというのは、簡単ではないです。といって、人の顔が黒っぽくつぶれてしまっては元も子もないわけで、石河さんは健闘していると思います。

 クドウレオナさんは「Shangri-La」と題したモノクロ3点。
 札幌駅北口の地下道がモティーフのようです。
 さすがに焼きは手慣れていて、うまいなかにも心象の揺れを反映させているところはさすが。
 ただ、モノクロの焼きがどうも…という後輩が何人かいるようなので、クドウさん、卒業前にしっかり教えてあげてくださいな。


07年4月22日(火)-27日(日)10:00-19:00(初日14:00-、最終日-16:30)
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階)


□札幌学院大学 総合芸術研究会写真部 http://sapporo.cool.ne.jp/sguphotoclub/

07年12月の学外展
07年3月の卒業制作展
03年の学外展
02年の学外展
=いずれも画像なし


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2 コメント

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sgu写真部は楽しそう (sue)
2008-04-27 00:51:49
大学写真部展はそれぞれ楽しめます。特にここファクトリーレンガ館は会場費が安いせいもあって、写真部の展がたくさん見られて、楽しいところです。さて今回の展ですが、一人当たりの点数がちょっと少ないかな。注目したのは石河さん、イソダさん、クドウさん。石河さんの写真は被写体の方とのコミュニケーションが写りこんでいるようで、なかなかいい関係を作っているなあと思わせます。撮影時の会話のひとコマみたいなものもあるといいかも。イソダさんの作品は妙にそこだけ明るくて、箱の中に光り輝くものが詰まっている感じで面白い感覚をを味わいました。アウトフォーカスの写真の効果もあったと思います。色々使えそうな装置の一つかもしれません。クドウさんの作品はクールな都市光景。フォルムに引っ張られてしまうところにはちょっと弱いところがありますが、それがDAIDOのようにこだわりになれば、また違ってくることでしょう。ほかの皆さんの作品も楽しく見せていただきました。今後も楽しみなサークルです。
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2008-04-27 21:09:48
sueさん、いつもありがとうございます。
たしかに石河さんの写真は、撮られる人とのコミュニケーションの現場みたいな要素が感じられて、見ていてほのぼのとしてきました。
学院大は藤などとちがって、どんな人が出てくるのかわからないですね。
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