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■片岸法恵 絣と藍のタペストリー (9月20日まで、北見)

2011年09月18日 11時51分04秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 
 北見の染織作家で、全道展会員、国展準会員の片岸法恵さんの個展。
 今回は、6月末~7月に札幌のSTV北2条ビル・エントランスアートで開いた個展の作品を、そのまま持ってきています。

 片岸さんは、国展には着物を、全道展にはタペストリーを出品することが通例となっており、今回は全道展出品作がほとんどです。

 冒頭の画像は「まる・丸・マル」のシリーズ。
 左はかすり、中央は二重織、右は欧洲の伝統的な技法であるスウェーデン織と、異なる技法で織り上げているのがミソです。

 


 会場の奥にどーんと展示されているのが「環」。
 高さ2.1メートル、幅2.6メートルという大作です。
 三つ編みの髪のように、糸が遠景に編み込まれています。この構図と、藍の絶妙のグラデーションが、余韻の深さを生んでいます。

 この大作は、第50回全道展で協会賞に輝きました。
 第50回記念大賞のあった年なので、厳密にはこの年の最高賞ではないのですが、全道展の長い歴史の中でも、工芸部門で協会賞を得た人は、片岸さんをふくめ2人しかいません(絵画部門の人が選ばれることが多い)。




 こちらは、四季のシリーズで、左は片岸さんが初めて手がけたタペストリー「窓~春~」。
 当初、ビルの窓が並ぶさまなどをどうやって作品化しようと考えあぐねていたそうですが、ふと外を見ると、山に桜などが咲いているのが遠望され
「そっか、窓から外を見たのもアリなんだ」
と発想を転換して作り上げたものということです。
 そのとなりは「窓~冬~」。
(つまり、四季のうち今回展示されているのは2点です)




 ことしの全道展出品作「瀧」。
 6~7月の夏に開かれる全道展にぴったりの涼しげな作品です。

 このほか、昨年道新ぎゃらりーで、全道展65周年を記念して開かれた会員展「もうひとつの自分」の出品作も展示されています。
 2歳半の、七五三のときに撮った写真をもとにしたものだそうです。

 片岸さんは網走管内留辺蘂るべしべ町(現北見市留辺蘂町)生まれ。
 1981年から、文化女子大北海道短大(室蘭)で教壇に立っていましたが、一昨年の閉校を機に、郷里に帰り制作活動を続けています。
 同短大には、野本醇、北浦晃、福井路可といった全道展の画家たちと一緒でした。
「教えるだけじゃなくて、出品することも仕事のうちなんだよと野本先生に言われました」
などと振り返る片岸さん。先輩画家に教わることが多かったといいます。

 北見では珍しい、工芸の大作が並ぶ個展です。 


2011年9月14日(水)~20日(火)9:30~5:00(最終日~2:00)
NHKぎゃらりー(北見市北斗町2、NHK北見放送局

片岸法恵展と春季オホーツク美術展を見に行った4月22日のことなど (2011年)
陸人(ろくにん)展(2003年、画像なし)

STV北2条ビルエントランスアートの関連ページ

□国画会(国展)の関連ページ http://www.kokugakai.com/kougeibu/modules/myalbum2/viewcat.php?cid=106



・JR北見駅から直進、約1.2キロ、徒歩16分
・大通、北見駅から北海道北見バス「緑ケ丘団地線」で「NHK」降車すぐ。「高栄団地線」「若葉線」で「北斗高校」降車、約320メートル、徒歩4分


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
拝見しました (モロフシ )
2011-09-22 23:51:33
先生がお元気で作品を作り続けていることを嬉しく感じました。
残念ながら、私の方は卒業制作から一度もきちんと織機に向かったことはありません。

現在は山形県鶴岡市に住んでいます。
ここも地元の織りがある地域なので、いずれは関わってみたいなと思っているところです。

先生の作品、実物を拝見できる日を楽しみにしたいと思います。
これからもお元気で素敵な作品を造り続けてください。
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