アートとまったく関係のない話で恐縮だが、廃線跡の写真を撮ってきたので、3度にわたって紹介する。
「ふるさと銀河線」
とは、第三セクター「北海道ちほく高原鉄道」の愛称である。
北見-訓子府-置戸-陸別-足寄-本別-池田を結んでいた。
1980年代、国鉄からJRに移行しようとしていた時期、道内のローカル線は次々と廃止されていた。
およそ20にものぼる廃止対象路線のなかで唯一地元の意向で存続したのが、このふるさと銀河線だった。
しかし、経営は苦しく、低金利にともなって基金運用が苦しくなったことや、少子化で高校生の定期通学者が減ったことなどから2006年に廃止された。
足寄が松山千春の故郷というほかには、これといった観光資源が沿線にとぼしいことも響いたと思う。
鉄橋などはまだ残っているが、レールや枕木などはすべて売りに出され、昨年の今ごろと比べても、鉄道が走っていた時代の面影は休息に薄れつつある。
北光社は、北見の次の駅だったが、銀河線のあったころから、存在感の薄い駅だった。
駅前にふさわしいにぎわいというものがあまりなく、住宅や畑の混在しているなかになんとなく駅があるという雰囲気だった。
駅名は、高知県から開拓に入った団体の名に由来する。
「北光」という地名はいまも市内に残る。
近くには、北海学園北見大のキャンパスがあったが、通学に利用している学生はほとんどいなかった。
大学は2006年、札幌に移って北海商科大に名を変えた。キャンパスはいま、静まり返っている。
かつての線路をまたいでいた道道北見置戸線。
この跨線橋の向こう側に、北海学園北見大の廃墟がある。
この周囲には、大学生をあてこんだとおぼしきアパートがいくつも建っている。いまは空き部屋が多いのだろうか。
(この項続く)