鈴木智子さんは全道展会員の画家で、北広島在住。
個展は実に16年ぶりだとのこと。
自らもピアノを弾くという鈴木さん。作品は抽象画で、いずれも画面から音楽が聞こえてきそうだ。
実際には、グランドピアノのフォルムをもとに構図を組み立てていくことが多いという。
冒頭画像、いちばん奥は「ソナタのかたちはメゾフォルテ」。
バイオリンの穴のようなフォルテの記号がアクセントになっている。
右側は「チェンバロの響き」。
交響曲や協奏曲ではなく、ソナタや、室内楽に多く用いられるチェンバロ-というのが、鈴木さんらしさなのかもしれない。
今回の個展は3年ほど前に開催の打診があり、それから、会場での絵の配置を念頭に置きながら制作に取り組んだ。
「天井も高いし、独特の会場なので…」
と鈴木さん。
なるほど、同系の色ばかりが並ぶのでもなく、黄色系や青系、黒っぽい絵…が、バランス良く展示されている。
詰め込みすぎていないので、見やすい。
左の画像では、いちばん奥に「ソナタのかたち」と題したオレンジ色の絵が展示されている。
絵の具の飛沫が鮮烈な1枚だが、これもふだんあまり使わないオレンジ色を全面に配して、会場全体のバランスを図ったものという。
「ピアノソナタ『月光』」。
ご存じ、ベートーベンの名曲が下敷きで、鈴木さんは第一楽章なら弾けるそうだ(けっこう難しいはず)。
鈴木さんにとっては「自画像の要素もある」作品といえそうだ。
出品作は次の通り。
ソナタのかたち F130 2010年
ソナタのかたち 幅2077×高さ910 2010年
ソナタ F100 2009年
ソナタのかたちはメゾフォルテ F130 2005年
ピアノソナタ「月光」 F120 1995年
チェンバロの響き S100 2008年
ソナタのかたち F120 2007年
ソナタのかたち 幅515×高さ380 2010年(紙、ガッシュ)
ソナタのかたち 幅735×高さ520 2010年(紙、ミクストメディア)
ソナタのかたち 幅227×高さ727 2010年
ソナタのかたち サムホール 2010年(同様3点)
ソナタのかたち 幅310×高さ145×厚さ95 2010年
※注記ないものは油彩
2010年5月12日(水)~20日(木)10:00~6:00(最終日~4:00)火曜休み
茶廊法邑(札幌市東区本町1の1)
・地下鉄東豊線「環状通東」2番出口から、770メートル、徒歩9分。環状通を東に進み、紳士服のAOKIのある交叉点を右折、次の角(寺の門の前)を左折し、ボタン式信号を渡ってまっすぐ。
・中央バス「本町2の1」から350メートル、徒歩5分
かなり頻繁に更新しているのでまたいらしてくださいね。
おはずかしい。