北海道美術ネット別館

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■柿崎煕 展 林縁からー天地のあはひ (2024年9月28日~10月6日、札幌)

2024年10月05日 05時53分00秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 会場に入るなり作者から、これまでずっと見てきて書いてもいただき本当にありがとうございました、もういつ死んでもいい、というようなことを、いつになくあらたまった口調で言われました。

※後日、人づてに、柿崎さんが
「おれは、いつ死んでもいいなんて言ってない」
とおっしゃってたそうです。「言った言わない」はケリがつかない問題なので、削除しておきます。(10月10日追記)

 びっくりしてわけを尋ねたら、個展の直前、病気で入院していたとのこと。
 そういう体験をするとやはり、生命とか寿命のことを考えてしまいますよね。
「すわりっぱなしになると、脚に良くない。健康への影響が大きい」
という意味のことをおっしゃるので、柿崎さんって防風林に自然を観察しに歩いて行っているというイメージが強いんですがーと言うと、制作に集中すると運動不足になるとの答えです。
 お互い、健康には気をつけたいものです。
 
 
 
柿崎煕かきざきひろしさんは1947年生まれ。
 札幌の北隣りにある石狩市在住で、これまで多くのグループ展を組織したり、参加したりしてきました。
 今回も、木を削って白く着彩した大小のパーツによるインスタレーションです。
 個々のパーツに題はなく、会場全体でひとつの作品です。

 壁には植物の種子を思わせる形状のものが散らばって掛けられ、床には、草とも木ともつかない立体が置かれています。 
 もちろんこれらは、ヒツジグサやオオウバユリといった特定の植物に着想を得ていますが、それらをそのまま写生したものではなく、生命の根本を抽出したような何か、としかいいようのないものだと筆者には思えます。

 ちなみに柿崎さんが使っているのはカツラの木です。
 近年は思うように材料が手に入りにくくなってきているそうです。
 


 ハスの葉を思わせる背の低い立体は、それぞれ別のパーツを連ねているのではなく、五つまとめて丸太から切り出しているので床上に自立できています。
 
 おおまかなかたちはチェーンソーで切り出します。その後の、サンドペーパーでみがく作業がかなり手間だということです。

 会場全体としては、ちょっと湿原を意識してみたと、柿崎さんは話していました。

 大きなギャラリーが減っている札幌で、法邑さんから企画展をしませんかと声をかけられて札幌で3年ぶりとなる個展を開けたことに「機会をいただけたのはありがたい」と語っていました。

 
 
 飲食テーブルのあるスペースの壁面には、野鳥のスケッチや、「瑞光」「親密な森」などと題された抽象絵画が展示され、この作家の別の側面を見ることができます。
 後者は主に、さいとうギャラリーが年2度企画している小品展に出品してきたものです。


2024年9月28日(土)~10月6日(日)午前10時~午後6時、火曜休み
茶廊法邑(札幌市東区本町1の1)


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・地下鉄東豊線「環状通東駅」2番出入り口から約800メートル、徒歩10分

・市立病院前、札幌駅北口などから中央バス「東63」(東営業所行き)に乗り「北8条東17丁目」で降車、約680メートル、徒歩9分

、バスセンターから中央バス「東3」(東営業所行き)に乗り「北8条東17丁目」で降車、約680メートル、徒歩9分

・地下鉄南北線「北18条駅」で、中央バス「東62 本町線 東営業所行き」に乗り継ぎ、「本町2条1丁目」降車、約470メートル、徒歩6分

※駐車スペースが店の前と後ろ側にあります


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