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【告知】STV北2条ビル エントランスアートが神田比呂子展で第100回展

2012年04月30日 21時43分07秒 | 情報・おしらせ
 札幌市中央区北2西2の「STV北2条ビル」は、STV興発が、「人と環境に優しいオフィスビル」をコンセプトに2003年4月に落成させたあと、11月から、1階ロビーで「エントランスアート」のシリーズを開始しました。
 以後、3週間の会期で、絵画、彫刻、工芸、立体、書などさまざまな分野の作品を紹介しています。その大半は、道内の作家の個展という形式をとっています。

 その展示が、4月30日~5月20日の神田比呂子彫刻展「愛しきものたちよ」で第100回展を迎えます。



 オフィスビルの入り口ですから、行き交うビジネスマンはけっこう多く、じっくり落ち着いて鑑賞する美術館やギャラリーとはやや雰囲気は異なります。
 しかし、逆に、人々が生活・仕事している空間に、アートが生きているなあという感じがして、それがかえって好ましいのです。

 一方で、会場で作家に会えることが全くありません。
 これは会期が3週間に及ぶこともあって、やむを得ないことだと思います。
 仮に、応接セットなどがあって、作家と知り合いが隅で世間話に興じていたりしたら(そのことが悪いとは言いませんが)、ふつうのギャラリーと同じになってしまいます。

 あと2つ、特筆すべきと思われる点を挙げます。

 ひとつは、会期中無休であること。
 オフィスビルなのに、土日祝日もあいているのはありがたい。

 もうひとつは、貸しギャラリーが主流の札幌で、一貫して企画展示であること。
 吉田豪介さんら美術関係者からなるエントランスアート企画委員会が、作家を選考しています。
 そのため、作品の水準という点では、安心して見られます。



 会場の空間は、第1回からほとんどかわっていません。
 自動ドアから入ると、立体などが置かれる空間があり、その奥に、ショーウインドウのような大きなガラスケースがあります。右手は、最も大きな作品が配置される吹き抜けの広間です。エレベーターホールに直結しており、その周囲には小品が置かれることが多いです。
 広間からは階段が2階へとのびています。踊り場が、西2丁目通りに面した大きなガラス窓のすぐ内側にあり、ここには、外側から作品が鑑賞できるように置かれる場合が通例です。階段の壁には、小品などが掛けられます。そして、2階の、階段や踊り場を見下ろす空間にも作品が置かれることがあります。

 踊り場には、柳原義達のカラスの彫刻が常設されています。
 反対側の壁には、以前は亀山良雄の大きな絵が常時掛けられていたのですが、或るとき、出品作家が自作と合わないので外してほしいと強く頼み込み、それ以来、ふたたび壁を飾ることなく今に至っています。これが、開始当時といちばん大きく変わった点と思われます。


 なお、神田比呂子さんは旭川在住のベテラン彫刻家。
 裸婦や首などをモティーフに制作しています。全道展会員です。


 サイトによると、展示は次の通り。
 
2003~04
御正伸 高橋大隆 長尾淘太 高橋三太郎 並木博夫 片桐三晴 小林重予 佐藤正人 札幌市スポーツ部 中橋修 藤野千鶴子 日野間尋子 秋山知子

2005
藤倉英幸 川上加奈 メトロクス札幌 田沼治彦・英里 小林麻美 後藤和子 STV・STV興発 川上りえ 伊藤明彦 藤田尚宏

2006
谷口明志 毛内やすはる 椎名澄子 伊藤三千代 北口さつき 杉田光江 浅井憲一  仙庭宣之・大野恵理 川口浩 森川亮輔 藤沢レオ 道工大建築学科

2007
古田瑩子 櫻井マチ子 鳴海伸一 米原眞司 関原範子 伊藤幸子 鴻上宏子 阿地信美智 折戸朱実 伊藤隆弘 平向功一 艾沢詳子 

2008
中村哲泰 冨永泰雄 高橋靖子 美水まどか ダム・ダン・ライ 稲村範子 田部隼夫 吉川聡子 SAG(山本雄基、西田卓司、川上りえ) 香取正人 小野寺紀子 伊藤啓子
2009
鈴木秀明 松田郁美 石川亨信 渡辺貞之 勘野悦子 川上勉 阿部典英 下沢敏也 SAG(末次弘明) 杉山留美子 穂井田日出麿 田島通子

2010
SAG(坂巻正美・大井敏恭) 目谷裕美子 矢元政行 金井英明 北山寛一 武田享恵 西田陽二 伊藤光悦 金子章 櫻井亮 佐々木けいし 野又圭司

2011
佐藤泰子 樋口雅山房 羽山雅愉 蒼野甘夏 柿熙 橘井裕 片岸法恵 引山絵里 藤井高志 韮沢淳一 中田やよひ 吉田茂

2012
泉修次 国松希根太 富原加奈子 古賀和子 神田比呂子




 なお、この場所には、以前もビルディングがたっていて、テナントとして「北2条ギャラリー」という、「貸し」よりも絵画販売が中心のギャラリーが入居していました。
 懐かしいなあ。この土地が、美術となじみ深いのかもしれないですね。


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