アートパフォーマンス・ユニットとして札幌を拠点に活溌(かっぱつ)な活動を展開していた「VOLTEX」が昨年いっぱいで解散し(学生STEPやライジングサン・ロック・フェスティバルにも登場していたようですが、残念ながら筆者は一度も見る機会がありませんでした)、その片割れだったNUKILLIZOさんが、初の展覧会に臨みました。
エントリのアップが遅れて、すでに彼は、ススキノのバーで室内装飾を披露するという、次の活動に入っています(30日まで、K’sBAR[ ] 中央区南5西2 サイバーシティビル10階)。ごめんなさい。
なお、奇妙な名は、彼がかつて描いた動物の絵の中に犬、キリン、象がいたということに基づくそうです。
個展の作品は、壁にある平面と、会場奥にあるインスタレーションに大別されます。
後者は、8日のオープニングパーティの際におこなわれたパフォーマンスの“残骸”です。
「自然の中にある流れ、渦の一瞬をイメージして絵を描いています」
という言葉通りの作品。
マーブリングという技法を使っています。画材もたしかペンキかなにかでした(話を聞いてからだいぶたっているので、ほんとにごめんなさい)。
ただ偶然に画材が流れるのにまかせるのではなくて、偶然と人力のコラボレーションとでもいえると思います。
できあがった作品は、白と黒とのダイナミズムというか、対比が見事。そして、完成品というよりも、永遠に完成しない途上の「時間」みたいなものを感じさせます。
そして、こちらは、本のページが空中にばらまかれて、その一瞬で固定化したようなインスタレーション。映画のストップモーションのような、斬新かつ明快な作品です。
材料となっている文庫本は、作者が札幌の古本屋さんを何軒も回って、もらってきたものだそうです。
宮尾登美子「櫂」とか、筆者が読んだことのある本もけっこうあったなあ。北杜夫「どくとるマンボウ航海記」なんて、おもしろいのになあ。
個展のタイトル「酩酊文学少女」は、他人が心の中で思っていることが文字になって立ち上っていくのを見ることのできる特殊な能力を持った少女が主人公の漫画に由来しています。
この会場に足を運んだ人が、帰りに本を読みたくなった、本と出合いたくなった-としたら、nukillizoさんの個展は成功だったといえるのではないでしょうか。すくなくても筆者は、読書欲をかきたてられました。
08年3月7日(金)-13日(木)11:00-19:00(初日15:00-、8日-17:00、最終日-18:00)
ART-MAN gallery(中央区南4東4 地図G)
□サイト「NKLZ」 http://nukillizo.web.fc2.com/
□ブログ「うずのく」 http://blog.livedoor.jp/nukillizo888/
行って来ました。
ここで買った古本の何冊かが、ギャラリー内に
巻かれたそうです。
カメラでの視点は、また新鮮なものですね。
エゾ三毛猫さん、こんにちは。
澄川の古本屋はたまにわたしも行ってます。
古本屋さんに個展のDMが置いてあるって、めずらしいですねえ。